米WD、メモリー事業分離 キオクシアとの統合交渉頓挫
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ここ最近のPEファンドの日本での動きが活発になってきているような気がする。
キオクシア(旧東芝)はBain Capitalが付いてるし、Fortressはそごう等など。
注目のコメント
広い視点ではHDDもフラッシュメモリーも共に記録メディアなのですが、両者の原理は大きく異なります。
平たく言えばHDDは磁石の向きで情報を記録しており、フラッシュメモリーは電子の有無で情報を記録します。
実は私は磁気記録で有名な岩崎先生、フラッシュメモリで有名な舛岡先生が在籍していた大学で学位を取りました。
記録原理、作成プロセスが大きく異なるのが原因なのか、昔から両者は仲が悪いイメージがありましたね。
私は磁気記録側の研究室に在籍していましたが、ゼミで当時世に出たてのUSBフラッシュメモリを使っていたら教授から反逆者呼ばわりされたりしたのは良い(?)思い出です。
(それくらい自分の仕事にポリシーを持っているという意味では尊敬できるかと)
それぞれ長所短所が異なり、お互いに短所を補完し合える関係性なので、記録デバイスとしては協力し合える関係にあるのですが。
実際一部HDDメーカーからはHDDとフラッシュを組み合わせたストレージデバイスが出ており、
高速読み出しするデータはフラッシュに、それ以外はHDD領域にそれぞれ記録する仕組みを取り入れています。
長い歴史においては磁気記録メディアに半導体プロセスを導入して物理的にパターンを形成して記録密度を向上させるディスクリートトラックメディア、ビットパターンドメディアなるものも考案されたことがありましたが、いずれもコストや技術的な壁に阻まれて世に出ることはありませんでした。
昔から犬猿の仲であるHDDとフラッシュ、それを如実に表す結果になったなぁ、と古参研究者としてはしみじみとこのニュースを眺めておりました。
【参考】
ハードディスクの最新動向1 −パターンドメディア−
https://www.tdk.com/ja/tech-mag/knowledge/104キオクシアとの統合は頓挫しましたが、WDはNANDフラッシュとHDDを分離することに。
WD単独でもNANDで生き残れると思ったのか、それとも次の再編を視野に身軽にしておきたかったのか。
今後もWDはキオクシアと協業関係は継続するとのことですが、もう一段動きはありそうな気がします。