【ミニ教養】「太陽光」がヤバいことになっている
NewsPicks編集部
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一番安い電源MAPを見ると、太陽光発電が他の電源を圧倒しています。地下資源よりも風、風よりも太陽光。太陽に感謝しなければなりません。それにしてもドイツ人の環境意識の高さには驚かされます。意識だけでなく行動に移すスピードも。
この記事を読んでいて、頭の中に鳴り響いたのは、オペラ座の怪人の「ポイント・オブ・ノーリターン」。ファントムとともに、もはや戻れない場所まで来てしまった主人公の女性が、期待と不安の気持ちをあの有名なシーンです。
すでに、太陽光発電がコスト面で圧倒的に有利になり、カーボンニュートラルへの期待が高まる一方で電力グリッドの脆弱性というリスクへの対応策がないがしろになっていないか不安になる。
紹介された論文でも、この点は懸念点として挙げており、「12時間のバッテリー貯蔵が利用可能な場合、太陽エネルギーの典型的な最適な割合は、地域によって10%から70%の間」という試算を示している。随分幅のある試算だが、ここでもバッテリー貯蔵により、需要シフトができることが大前提となっている。
一方で、現在のEVの普及スピードを見ると、これも夢ではないように思える。EVが普及し、V2GなどのEVとグリッドをつなぐ技術が使われるようになれば、12時間のバッテリーを各個人が所有することができる。これこそがマスクが夢見た世界である。そう考えると、いよいよ、"ファントム"・マスクとの戻れない旅への出発が始まったということかもしれない。