エネルギー自給率230%を実現。岐阜県の「奇跡の村」
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注目のコメント
水力は、太陽光・風力と比較すれば発電量の変動が小さく、安定した再エネです。
ただ、物事には陰と陽の両面あることを踏まえなければなりません。この記事は陽だけを書いていることに注意が必要で、エネルギー関連では極めてこういう報道が多い。(正直、「またか・・」という感覚しかないので普通記事をPickしないのですが、NPの事務局からの「コメント依頼」が来てたのでコメントします)
地方に偏在する再エネ資源(広い土地があれば太陽光、水と落差がある地形では水力など)を活用して稼ぐというのは、地方創生の文脈からすればよいことです。一方で、それを高い価格で電力消費者(全国民です)が買い取るわけです。小水力はまだコストが高いので、例えば住宅用の太陽光発電による発電は2023年度、1kWhあたり16円、中小水力は、既設導水路活用型という安い方で25円、そうでなければ34円(両方とも200kW未満の数字を抜粋)で買取です。
同じ再エネの電気ですが、中小水力で作られたものはこれだけ高い価格で買い取らなければならない訳です。それは国民負担に繋がります。
そもそも、ある狭い地点をとりあげて自給率を語ることに、大きな意味があるように思わせてしまう記事のタイトルにも注意が必要です。水力なので、太陽光発電で自給率を語るよりは自給自足を達成しやすいとは思いますが、基本的に、ある地点を取り上げて、消費電力と発電量を比較することはkWhの論点しかないので、安定供給に必要なkW、ΔkWの価値の議論が抜け落ちてしまいます。この記事は過疎地域のエネルギー自立の可能性を示していると感じました。日本全体の人口が減少するなかで、人々を都市に移動させてインフラの効率化を目指すコンパクトシティ構想の議論なども活発になってきています。一方、人間にとって住む場所は当然のことながら経済合理性だけでは決まりません。ですが、過疎地域が増えれば増えるほどインフラなどの公共サービスを提供するための単位あたりのコストが増大してしまいます。今回の記事のように分散型のエネルギー供給によって、過疎地域が従来の集約型エネルギー供給方式に頼らず自立出来るのであれば、今後の日本の在り方にとっての1つの方向性が見出だせるのかもしれません。もちろんインフラはエネルギーだけではないので0/100のはなしでは無いのですが。
再生可能エネルギーの発電自体は悪いものではありませんが、FITで売っている限り自給自足ではありません。電力会社の発電由来が明確化された再エネ電力メニューで買ってない限り、作った再エネを国の制度で高く売って、自分たちは火力や原子力の安い電気を買っているのを、自給自足していると勘違いしているだけです。