航空業界、偽部品一掃に躍起-安全な空の旅を揺るがす大胆な不正発覚
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航空機の部品については、昔はエンジンなど重要な装備品とされたものには国が都度予備品証明というものを発行し認証していましたが、昨年から重要な装備品という枠がなくなり、すべての装備品に日本ないし米国、EU等の証明書が必要となりました(一部製造メーカーによる証明でも良い場合があります)。
今回偽造されたのは英AOG Technologies社のCFM56エンジン(737やA320で使用されるエンジン)の一部の部品のEUの証明書(EASA form 1)で、すでに8月に欧州の航空当局により各国および各航空事業者に通達がありました。日本の航空局としても9月になって国内でも偽造証明書を持つ部品が発見されたとして各航空会社等に通達が出ています。
具体的にはエンジン内部に無数に存在する小さな動翼や静翼、またその間をつなぐシール部分の金具などです。こうした具体的な部品を作る力がありながら、証明書を偽造するというのはあまり例がなく、それで騙されてしまったところから航空市場に広く流通してしまったものと考えられます。
ただし、さすがに証明書がない部品を使うということはないので、丁寧に一つ一つの部品の証明書を辿っていけば、偽造かどうかはすぐにわかりますし、疑わしい部品を外すなどの対応を取ることもでき、現時点では各航空会社で大きく欠航が発生するような状況とはなっていません。
航空機の部品は、昔からちゃんとしたシンジケートを通して買わないと、結局安物買いの銭失いでひどい目にあう、とよく言われます。何か気になることがあって取り外したはずの部品を、メーカーにチェックのために返送するはずが、いつの間にかどこかの怪しいシンジケートへ流れていくという話もよく耳にします。今回も、そういう話の一つに分類されるものでしょう。
ちなみに、このように部品のサプライヤーの品質保証の仕組みとしてNadcapという認証があり(いわゆるISO認証のような仕組みです)、日本でも150近い事業所ですでに認証を取得しています。部品についてはできる限りNadcap取得事業者から購入するなどという防衛策も必要となるかもしれません。逆に、こうした事件によってサプライヤー側もNadcap取得に向け動くところも多いと思われます。航空業界の部品に関する問題は枚挙にいとまがありません。日本の大手であるIHIやジャムコでさえもありました。基準に厳しい業界で、とはいえコストダウンに精をだすとき、不正に身を委ねてしまうのが人間の弱さです。いかにそうしたことをしないでいるか、その統制というのは難しいですね。
社会人になって気づいたが、
学生の頃は、こういう記事を見て、
有名な企業が不正しててやばい!
と思っていたが、
社会人になった今は、
どこも大小の不正をしてるのが当たり前で、真っ白な会社なんてどこにもないんだろうなって
気づいた