【続報】線虫検査は有効か。全国のPET施設を対象に調査開始
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他の方が書いてある通り、PETCTとの比較が妥当かどうかはありますが少なくともやらないよりは良いかと思いますし、PETで見つからない小さい腫瘍の可能性もあるとの理論も理解できますが、そもそもN-NoseがPETで見つからない小さい腫瘍をもった人の尿を対象としているのかどうかわからないので、なんとも言えません。
PETでわかるレベルの腫瘍を持つ患者さんであれば検知できるのであれば、N-NOSEとしては勝手に有効性を示してくれることになるので、この調査は本来は嬉しいんじゃないでしょうか?
そもそも、企業として医療ではなく、投資家や消費者を納得させることに重きを置いているんだなと感じます。
スクリーニングとするならば、医師を納得させるようなデータを提示すべきだし追求するべきだとは思います。
それよりもビジネスとして成立させることに重きを置いてしまったからこそ、結果がどうであれこのように批判を浴びることになったのではないかと思います。
注目のコメント
このように、線虫検査の精度について外部の機関が調査をすることには意義があるように思います。
ただ、大きな注意点として、PET検査のがんを検出する感度が低いことが挙げられます。国立がん研究センターの調査では、PET のがん検出感度は17.83%と低いものでした。PET検査で抽出されにくいがんとして例えば胃がんや前立腺がんなどがあり、大きさが小さい初期の肺がん、乳がん、大腸がんなども見つけにくいことがあります。なのでPET検査は通常、各種がんを発見するためには用いられていません(がんが見つかり、どれくらい広がっているのかを調べるためには有用です)。がんの診断方法は、胃がんであれば内視鏡検査、大腸がんならば便潜血検査や大腸鏡、前立腺がんならば血液検査(PSA測定)と生検(PSA高値の場合)等と、がんの種類によって最適な診断方法も変わってきます。
15種類のがんのリスクを評価する線虫検査の一つの問題点は、ハイリスクと判定された方が、どのがんになっているのか分からず、自費で高額なPET検査などを受けたとしても「でもまだがんがあるかもしれない」と不安が続いてしまうことにもあります。おそらく不安から、より侵襲的な内視鏡検査を受ける人もいるでしょう。がんがないのに「高リスク」と判定されたことで、経済的、精神的、肉体的な負担を抱える人は多いと想像します。医薬品医療機器等法(薬機法)の場外戦になっている様相ですが、線虫検査の効果が客観的に立証され、せめて景品表示法からの判断が下されて欲しいと願います。消費者すなわち潜在的な患者さんのために。
線虫検査が医療行為に組み込まれるサービスを目指しているなら、PMDAの認可・承認を得て薬機法の規制を受けることを線虫検査は目指すべきなのです。前回の連載記事を読ませてもらい、たしかに「手作業」である線虫検査は医薬品とも検査用医療機器とも位置づけにくく、既存の法解釈では規制しにくいという判断がPMDAから提示されたようですが(詳細は不明)、それを法規制外でやってくれというPMDAの推奨だとHIROTUが受け取ったことがこの問題の根源だと私は考えています。
線虫が示す走化性の分子機序を解明し、デバイスや装置による再現性の良い試験を確立して、そして癌検査としての有効性を客観的に立証して承認を得ることが王道です。9月に特集した線虫がん検査の続報です。全国200カ所以上の検査施設を対象にした全国調査が始まりました。どんな調査なのか、背景を含めいち早くお伝えします。
記事の後半では、6月の学会で発表された中で、9月の特集では紹介しきれなかったある重要なデータも紹介しています。ぜひご注目ください。