損保ジャパン、金融庁報告で「隠蔽」 BM問題で調査委が指摘へ
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特別調査委員会の調査経過が途中でリークされるのは、異例中の異例事態。そもそも損保ジャパンの今回の不祥事に関する調査が進行中に社長の白川氏が辞任、その後損保ジャパンが設置した調査委員会が、途中で親会社の社外調査委員会に移行。しかもそのリリースで、社外調査委員会を構成するメンバーの詳細が山口幹生委員長(元広島地検次席検事)以外開示されない、という異例づくめの動きが続いている。会社から独立した位置付けの社外調査委員会は、ステークホルダーである東証(実際には日本取引所自主規制法人)や規制当局である金融庁と自由にコミニュケーションをとることが出来る建てつけなので、そのルートで(意図的に)この情報が漏れた、と考えるのが普通で、それは当局が今回の「隠蔽」に相当怒っているということの証左だと私は受け止めています。
「疑いを把握しながら金融庁に伏せていた」など、まるで半沢直樹のドラマを見ているようで、1990年代のバブル崩壊後の大銀行による検査妨害以来ひさびさに接する異常事態だといえます。
・上場企業等の第三者委員会に関する情報は、以下で見ることができます。
http://www.daisanshaiinkai.com/これまでの報道から、
「損害保険ジャパン」の白川社長は、2022年7月6日の役員会議で、ビッグモーターの保険金請求をめぐって不正が行われていたと推測されるという見解を示した一方で、ビッグモーターの自社報告で「不正はない」との報告を信じ、追加調査は行わずにいったん中止した取り引きを再開してはどうかと促していた、
ということが知られるところになっています。
この役員会議では、副社長など他の役員からも「ビッグモーターへの追加の調査の必要はない」という発言が相次いだということで、この件に関して、これまでに、金融庁が詳しい経緯を調べているとの報道もありました。
「損保ジャパン社長 ビッグモーターとの取り引き再開促す発言」(2023年8月29日 NHK)
https://newspicks.com/news/8882698?ref=user_1310166
今回の調査委員会の指摘も、まったくこの部分です。調査委員会は「損保ジャパン」の取締役会において、他の取締役の同意を正当な方法で得ていたかという点を焦点として、事実確認するでしょう。
「損保ジャパン社長」が不正に関する情報を取締役会に提供していたのであれば、会議に参加した取締役会メンバーが不正を認識したうえ取引継続の判断をしたことになり、企業ガバナンスの不全(取締役会の機能不全)が指摘されるはずです。
「SOMPOホールディングズ」の子会社である「損保ジャパン」の白川社長の辞任が発表されていますが、上記の場合、本件に強力に反対した取締役以外、全員の役員責任が問われることになります。
「損保ジャパン」の取締役会メンバーには、損保ジャパンの親会社の「SOMPOホールディングス」代表執行役会長(前経済同友会代表幹事)も名を連ねていますが、子会社社長の独断により、親会社代表執行役に判断材料を与えなかったということがありえるのかという点も、調査の焦点でしょう。昨日も大手新聞記者とブレストやってました。ビッグモーターを「世の中に必要な会社」として、どのような形で「戦後処理」するのか。
損保ジャパンのビッグモーターに対する一連の行動は一体誰が主導したのか。本当に白川社長が全てを仕切っていたのか。こうした点を調べています。
あと自動車販売関連業態が損保代理店を兼業している問題。「ワンストップ」の利便性と、修理や整備を得る代わりに自賠責や任意保険を獲得する「利益相反」を維持すべきか否か。
自賠責を所管する金融庁と国交省は、「集金業務」を委託している自動車販売業界での代理店分離議論には関わりたくないようですね。協定不正の大きな原因なのに。