米オープンAI、半導体の自前確保を模索=関係筋
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AI用の半導体獲得は、もはやAIプラットフォーマーにとって新たな戦場になってきました。買収を視野に入れている半導体企業のデューディリジェンス(資産評価)も着手しているのですね。
自社生産するか、NVIDIAなどのメーカと組むか、それ以外の業者を探すか。OpenAIと組みたい業者はたくさんあると思うので、ある程度のあたりはつけていそうです。Alan Kayの言葉に、「ソフトウェアを真面目に考えて追求すると、ハードウェア(半導体チップ)を自分で作るようになる」というものがあります。ソフトウェアは、フレキシブルで、いくらでも更新できますが、性能はハードウェアにはかないません。生成AIのように決まったアルゴリズムを実行するなら、半導体チップを設計する方が学習や推論の性能は、圧倒的に向上します。オープンAIが自分の半導体チップを持ちたい気持ちになることは無理のないことです。
津田さんも言及されていますが、Alan Kay氏の名言
“People who are really serious about software should make their own hardware”
は私も大好きな言葉です。
実は2007年にSteve JobsがiPhoneを世に出した際のプレゼンでもこの言葉が引用されています。
OSとハードの設計は不可分であるという思想の下、AppleはMacを造り、iPhoneを創り、Appleシリコンにまで手を出しています。
最近ではMicrosoftもSurfaceでハードウェア造りに手を出していることを鑑みると、とても感慨深くなります。
この手の話題によって、回路線幅微細化、ヘテロジニアスインテグレーション、光電融合などの半導体技術が大きく進展することが期待されます。
その結果シリコンサイクルが変調をきたして半導体業界が盛り上がるのは半導体に携わる身としても非常に嬉しいことです。
一方でTSMCなどのファウンドリの生産枠がこの手の最新技術で埋め尽くされてしまうと、レガシー技術を適用できる自動車向け半導体の生産キャパが蔑ろにされ、再び半導体不足による自動車業界の停滞を招きかねないな、といささか心配になってしまいます。
う〜ん、悩ましい問題ですね。
【参考】
ウィキペディア アラン・ケイ
https://ja.wikipedia.org/wiki/アラン・ケイ
Steve JobsがiPhone発表会でアラン・ケイの言葉を引用したシーン
https://www.youtube.com/watch?v=XAfTXYa36f4