【森ビル社長】理想の東京を具現化、六本木ヒルズの秘密
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注目のコメント
記事最後にある「政官民が一体となって東京の魅力を引き上げるべきです」とのセリフに力がこもっていますね。
コスモポリタン的に働くビジネスパーソンや海外からの観光客は、国というよよりは、都市ベースに考えるような印象です。たとえば、ニューヨークはどうだ、ロンドンは、香港は、シンガポールは、ドバイは、といったような感じです。
常にそのような視点で東京が他の都市と比較されている中、最近は、日本に駐在する外国人からは、香港、シンガポールと比較して東京はわるくない、治安の面では子供を一人で歩かせても大丈夫だし(海外ではありえない)、交通網やインフラは整備されている、食事を含め物価は安いといった感想を聞くことが珍しくないです。
他方、法人税、規制緩和など、政治や行政が音頭をとって進めないと変わらない課題もあります。
ビルや緑地など「目に見える」部分で民間企業が長期目線で東京の魅力を高める取り組みをしてきた経緯があるのですから、今度は、政治、行政が、税制を含めた「目に見えにくい」部分でも東京の魅力を上げる取り組みを加速できるとよいなと思います。
そのためには「政官民」が対話しながら、一丸となって進めていく気運をさらに醸成できるとよいですね。建築学科の学生だったころ、不動産デベロッパーを理由もなく毛嫌いしていました。でも、森ビルには何か魔力のようなものをずっと感じていて、社会人・ビジネスパーソンになって、知れば知るほど、森ビルの狂気・哲学のを感じるようになりました。その中でも、六本木ヒルズは本当によくできている。
都市空間の中における広場として見るだけでも、圧倒的に異質。高低差をつくりながら庭園~アリーナ~モニュメントまで、性質の違うスペースを連続的に内包していて、またエントランスを複数もうけて異なる機能を分散させていることによって回遊性の高い「都市性」をつくりだしている。
短期的な収益性を無視してつくられた森美術館は、20年を経て、現代アートを一般大衆に広げる重要な拠点の一つになっていますし、六本木という街を確実に文化的・美術的なコアに引き上げたと思います。夜までやっているので、飲みに行く前とか後にアートを楽しめるのも最高の魅力ですよね。
学生の頃に『東京の空間人類学』を読んで、東京の歴史的な連続性やその文化的な層の重なりを知りましたが、スプロールやスクラップ&ビルドを繰り返しながら、世界に類をみない進化を続けてきた東京の魅力はつきない。本シリーズを通して、あらためてこの怪物都市の立体的な姿を知ることができました。素晴らしい特集、ありがとうございました。「怪物都市・東京」特集最終日は、最も東京に「こだわり」を持つ森ビルのトップ・辻󠄀社長のインタビューです。
「東京とはどんな都市なのか」というテーマに対し、「すごく重要なテーマだ」と話していた辻󠄀社長。
六本木ヒルズ・麻布台ヒルズを題材に、彼らの強み「グランドデザイン」や、「東京を強くする」という思想の真髄に迫ります。
民間の競争の中で独自に育ってきた東京という都市。
その未来像に答えはありません。森ビル流の街づくりも決して「唯一の解」ではない。
しかし、「再開発への思想をもとに新しい都市の形を提案すること」は、東京の未来を考える上で、非常に価値のあることだと思います。
「人口が減少する中で、経済発展をする」
その難題への1つの解が、”世界から選ばれる都市”ということなのでしょう。
全5回の特集にお付き合いくださった読者の皆さま、ありがとうございました。