平和で安らかでない時代をどう生きたか【時空ミステリー平安編】
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【配信後記】
M8以上の地震が平安時代に2回発生し、一つが三陸沖。もう一つが南海トラフ…ゾっとしました。さて日本史を考える時のポイントは“外圧”だそうです。飛鳥時代の白村江の戦いで日本は唐に大敗し、それがショックで国家を作ろう!と燃え、律令制や平城京ができた。しかし、唐が「ぽしゃり」外圧がなくなると、きちんと国家を維持しようとする意識がなくなり「いい加減になっていく」。平安の全然穏やかでない国内情勢はこうした背景があるんですね。また面白かったのは、川尻先生によると、明治4年まで天皇は平安時代と同じ服装と化粧をしていたほど、公家の間では平安が“続いていた”そうですが、明治天皇の有名な肖像は西洋の軍服姿ですよね。また古代と聞くと、古墳や奈良を連想するのが一般的ですが、明治までは古代といえば平安だったそうです。この理由が「歴史の選出」だと言いますが、詳しくはぜひご覧くださいね。
庶民については、わからないことの方が多いと言いますが、ある程度の教養がないと理解できない仏教が浸透していたとは考えにくく、死生観はほぼなかったのではないかとのことです。遺体は野ざらしで鴨川はドクロで埋め尽くされていたそうです。当時の食生活も解明には至っていないようですが、鴨川で採れた魚は食べていたそうです…。災害や治安、衛生など不幸を見れば果てしなく辛い時代ですが、生き抜こうとした人がいたから今があると感じました。子孫を残したかどうかというより、生きることを諦めないでくれた人がいたことの方が重要だと思いましたし、武力で解決していく世は違うと再認識できました。平安時代は時間の感覚がかなりゆっくりだったそうで、先生はそれが羨ましいと言います。「5分遅れただけで怒られるのは今だけ」だそうです。
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先週のNYから一気に話題を日本に戻して、今回取り上げるのは平安時代です。源氏物語や枕草子、十二単など、非常に優雅な貴族文化が発展したことから、平安時代に対し文字通りの印象を抱く人も多いかと思いますが、実は平安どころか激動そのものだったと言います。天変地異や戦乱、地方の治安悪化や疫病など、多くの人が苦しみそして生活はかなり揺れていたとのことです。そう「不確実性の時代」と呼ばれる現代と重なる面があると感じました。平安時代の人々がどう生き抜いたか?そんな点を思いながら、今の時代を考えられたらと思います。【今日 よる10時~】WEEKLY OCHIAI『平和で安らか"でない"時代をどう生きたか【時空ミステリー 平安編】』を生配信します。
現存する世界最古の小説「源氏物語」や日本最古の随筆「枕草子」。漢字に対し「女文字」と呼ばれた「かな文字」の発達により女流作家が活躍した平安時代は、日本の独自色が強い「国風文化」が花開き、まさに“優雅な貴族生活”というイメージを思い浮かべる人も多いはずだ。
しかし、その実像はどうだろうか。藤原氏が摂政・関白を代々受け継ぐことで100年間も政治の実権を独占する「摂関政治」が始まり、その地位をめぐる激しい権力争いが勃発。また地方では争いごとが絶えず、職能集団としての「武士」が出現し、飢饉や災害にも苦しんだ平安時代は、古代史 が専門の川尻秋生氏によれば、決して安定したものではなく“人々が揺れ続けた時代”だという。
貴族たちの暮らしぶりは?変質する政治体制の中で人々はどう生きたか?「武士」が誕生した背景とは?現代に通ずる多くの文化が誕生した平安時代、“雅さと猛々しさ”が織りなす世界を落合陽一が探求する。
※ライブコメントからの【質問】に答えます。
ゲスト:川尻秋生(早稲田大学文学学術院 教授)なるほど平安時代〜江戸時代は、東洋文化の影響を強く受けたOSで、明治維新の時に中国が植民地化されるのを目の当たりにしてOSの換装が必要であると考えて、奈良以前に戻ったのか。外圧 が 日本のキーワードの一つなのだな。