レゴ、ブロック原料の脱石油化プロジェクトの1つを断念 同等素材なく=英FT
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注目のコメント
別記事によると、石油ベースのABSと異なり、リサイクルPETは柔らかく、加工と乾燥により多くのエネルギーが必要だったとのこと。
https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2023/sep/24/lego-abandons-effort-to-make-bricks-from-recycled-plastic-bottles
あくまでレゴが求める品質基準の再現が困難だったという話なので、このニュースの影響を受けて、「やっぱりリサイクル素材は効率が悪い!」と他のメーカーがチャレンジを諦めるということがないといいのですが。
玩具業界では、マテル社が海洋プラスチックを使ったバービーを発売しましたが、一部プロジェクト的に持続可能な素材を使うことは可能ではあるものの、近い将来に全ての素材を転換するとなると、現実的なコストを考えなければいけないということを考えさせられるニュースだと思います。
レゴは改めて、支出を増やして新たにバイオベースおよびリサイクルされた素材を取り入れることを目指すとのことです。あれ?。レゴってABSちゃいましたっけ?。
PETなぞ「乾燥しなきゃ使いもんにならん」のなんて、加工屋にとっては「常識中の常識」だと思うんだけど(笑)。
さらに追記
少しまじめに考えてみました。結果、私は「レゴはレゴだけのクローズドマテリアルリサイクルを目指すべき」ではないかと考えます。
理由:
・商品として判別が容易。恐らく(日本の異物混入ペレット除去技術もってすれば間違いなく!)選別除去の自動化は可能。
・一言で「ABS」といっても、恐ろしいほどの種類がある。性質がずいぶん違うので、そのうち「レゴ用の銘柄のみ」を集めなければまともなレゴになんかなんない(はまんないやつが間違いなく出てくる)。
・「色合わせのために脱墨」なんかやったりすれば、そこでとんでもない量のエネルギーとコストがかかる。環境への影響も(溶剤たくさん使うので)甚大。
・そもそもABSは「合成するための工程が多い」ので、製造でのCFPが大きい(PETなんかもPEやPPに比べるとずいぶん大きいけど・・)。バイオ素材にしたところで重合工程は変わんないので、削減効果が相対的に小さい。そんなんに金かけるくらいなら「集めるための体制づくり」に投資したほうがよっぽどいい。
くらいでしょうか?。
「なんでもかんでも同じように」、ではなく、品物の特性、使われ方をよくよく考え、「それぞれに適した」方法を考えなきゃなんない。ある意味日本的な考え方ではありますが(なので一般受けは悪かったりする、笑)、そうしなければこういった課題への対策はうまくいかないと思っています。
松本さんのコメント読んで「そういえば。」。中に無線タグ入れといて「30cm以内にレゴが落ちてたらスマホのアラームが鳴る」ようにできないでしょうかね?(経験者にはわかってもらえるか、と)。松沢さんのコメント(有難うございます!)に重ねると、現実の難しさを示唆していると思う。
レゴは、結構な金額を投資してきたし、ブランドイメージ・ポジションを考えると、本気で変えたいと思っていたと思う。一方で、劣化しないことや、実質の二酸化炭素排出など、今回の意思決定に至ったのだろう。
ABSは多くのところで使われているし、代替のための妥協が一定以上になると、変えきれない現実がある。
レゴ、素材「脱石油」へ180億円投資(2015年6月)
https://newspicks.com/news/1020051
New Lego pieces: Still hard on your feet, but easier on the planet(2018年3月)
https://newspicks.com/news/2861991
レゴをアップデートせよ。脱プラスチックに向けた挑戦(2018年9月)
https://newspicks.com/news/3331116