シスコがSplunkの買収を発表、約4兆円で。同社の歴史上最大規模の買収
コメント
選択しているユーザー
以前から噂されていましたが、シスコがいよいよ Splunk を買収へ。
SIEM の分野では Splunk はリーダー的な立場の企業で、市場に登場してから20年近くになると思います。ただし、近年はクラウド化によって、ライバルが増えて、Google や Microsoft、Datadog、Elasticなどなど。特にパブリッククラウドを提供している Google や Microsoft の存在は大きく、やっぱり競争は厳しくなっていくものと考えます。
注目のコメント
両企業ともSIer時代にお世話になりました。
Ciscoはネットワーク機器、Splunkはログ収集解析ツールが日本の大企業にもよく導入されています。
CiscoのリリースではAIを活用したセキュリティと可観測性の世界的なリーダーになると書かれています。Splunkといえば可観測性に注目したのだと思います。
可観測性(オブザーバビリティ)は、ビジネスにおけるITの重要性が増したことで従来のシステム監視に留まらないデータや利用状況の可視化が重要であるという考え方です。
従来はサーバーが落ちたら復旧できるように監視しておけばよかったのですが(これはこれでとても重要ですが)、今後はどんなシステム構成でどういったユーザーからどのように使われているかを把握する(可観測性を向上する)ことが、システムがビジネスの変化に対応するために重要になります。
Splunkは可観測性でど真ん中のSaaS企業ですし、Ciscoにはこの分野でAppDynamicsという製品があります。
参考までにですが、NewsPicksでもNew Relicというオブザーバビリティ製品を導入してユーザーのみなさまが快適にアプリを利用できているかどうかをモニタリングし、迅速なトラブルシューティングに役立てています。
New Relic社のインタビュー記事
https://newrelic.com/jp/customers/newspicks
AppDynamicsとSplunkの製品は、可観測性で競合と言っても差し支えないソフトウェアです。他にはDynatrace、Datadogといったプレイヤーもいます。
ガートナーのMagic Quadrantより
https://mma.prnewswire.com/media/1837357/figure1_revised.jpg?p=publish
AppDynamicsはCiscoのネットワーク機器の大規模顧客に導入されている印象があるため、ターゲットは違うものの、本買収によって可観測性のマーケットシェアを拡大しようとする意思を感じました。Ciscoもネットワーク機器を提供するだけでなくビジネス的に付加価値の大きい可観測性領域に注目したのは理解できます。
可観測性のためにデータを蓄積した結果、よりセキュリティが重要になりビジネスチャンスも生まれますねなんと!
Splunkはソフトウェアに携わる人なら誰でも知っている優良サービスです。ログデータを収集することで、分析やセキュリティの担保を可能にしています。Splunkは上場もしており、4兆という歴史上最大規模の買収でもうなずけます。CiscoはM&Aで事業拡大を遂げてきた企業ですが、今年に入って、すでに8社目。累計での買収企業数は250社超ですかね。
2013年に早稲田の根来教授などが以下の論文を出していたので、今日の夜に読んでみようと思います。
『Cisco Systems買収戦略の目的と貢献に関する研究』
https://www.waseda.jp/prj-riim/paper/82/