ユニクロ柳井正会長が語る 企業のサステナビリティの本質とは
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2005年から2020年まで地方店舗の中間管理職的な立場で働いていました。
企業理念や方向性については私がこれまでに勤めてきた他のアパレル企業にはない革新的なもので使命感を持ちながらお客様のためにと思い頑張ってきましたがメンタルに強い不調をきたし休職ののち離職しました。
ほとんどの地方の店舗は常に人手不足で離職率も高いので心身ともに負荷が高め。また平等に見える能力主義の人事評価はある程度まで昇格すると引っ越しを伴う異動ができない(望まない)地方民はキャリアが頭打ちになり、給料がそれ以上あがらないガラスの天井がある。
(給与制度や福利厚生、人事制度は外部から見ればとても整っているように見えるが、現場でちゃんと機能しているかどうかや働きやすさに繋がっているかどうかはまた別の話。また都市部と地方の店舗間の格差はとても大きい。)
そういったマイナス面も承知しながら、それでもユニクロという企業の姿勢に魅力を感じ「個の尊重、会社と個人の成長」を信じて働いていました。しかし一方で本部の目が直接届かない地方店舗の店長職未満のスタッフは「頭数」でしかないんだろうなとも感じていました。
「会社を表すのは、経営者というよりも、お客様が日頃接している店舗や販売員の印象です。ですから、お客様と接するその人たちに、本当に生きがいを持ってやってもらうのが大事なのです。」
という言葉は柳井さんらしいなと思いますが、末端で働いていた人間には少し白々しく感じます。
ユニクロはこれまで失敗を恐れぬチャレンジで社会にさまざまなインパクトを与えてきましたが、現役で地方の店舗で頑張っている人たちが個人としてもっと報われる企業になりますように。
注目のコメント
これまで事業の外側で行ってきた社会貢献活動ではなく、付け焼刃的な事業内容の変更でもなく、自社にとってのサステナビリティに関連した重要課題を特定し、これに対応するために経営戦略的な階層から変革を行っていくのが「サステナビリティ経営」と言われていますが、柳井氏が自身の言葉で語るとこのような形になるのだと思います。
「世界最高の小売業とは、「お客様が欲しいものがいつもある」ということです。 」という言葉について、以前の製造小売業では大量生産により在庫を切らさないことでそれを実現しようとしていたわけですが、過剰在庫は大量廃棄に繋がり持続可能ではないと感じる生活者が多くなっていますし、これ自体がユニクロの財務状況を圧迫してきました。サステナビリティに目覚めたユニクロは、「お客様が欲しいものがいつもある」をこれまでと違う方法で実現しようとするのではないかと期待します。柳井会長の「顧客に喜んでもらうことを通じ社会全体に役立ち、それをグローバルにも展開していく志」というメッセージはシンプルで明快ですが、他の普通の企業ではその実践がなかなか難しいだけに、実に重みがあり、深い含蓄がありますね。
原材料を調達する取引先などを含むステークホルダー全体のサステナビリティについても、会長のお考えを伺ってみたかったです。「社会貢献につながる活動を行う部署」や、利益を出すためでなく「社会貢献のためだけに始めた事業」などの存在は、企業の中で重要な役割を担っている一方で、実は順番が逆で、本来ならば事業そのものの活動を通して、“社会にとって良いこと”につなげていかなければならないのだと思います。
実態が伴っていないのに「社会貢献」や「サステナビリティ」のアピールだけをしていても、当然見透かされてしまいます。