世界初「木の酒」蒸留所 ベンチャーがつくば市で開設へ 千葉市は断念
産経ニュース
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間伐材を活用して、木そのものから蒸留酒を製造するストーリー含めて、共感されやすいプロダクトだと感じました。適切な醸造所を見つけるまで紆余曲折あったとのことですが、小学校跡地が活用されるのは意外でした。
木の樽でお酒を熟成させるのではなく、木からお酒を造るとは!
技術的なことは下記ウェブサイトで読めます。
>科学技術振興機構 >産学官連携ジャーナル
https://www.jst.go.jp/tt/journal/journal_contents/2022/07/2207-05_article.html
森林総研の大塚祐一郎さんらが開発した技術ですね。森林の主たる成分はセルロース。森林総研はセルロースの基礎~応用研究で国際的にもトップレベルです。
セルロースを構成する成分はブドウ糖。デンプンと同じ。しかしセルロースはブドウ糖が表裏と反転しながら結合(β-1,4結合)した高分子なので、哺乳類が分解することができません。ウシ等の反芻動物は胃の中に“セルラーゼ”というセルロース分解酵素を産生する微生物を共生させ、その微生物がセルロースを分解し、栄養としています。
ウッドスピリッツも製造工程でセルラーゼを用いているようです。しかし、セルロースを使えば木材が綺麗に分解するというわけでは全然なく、森林総研は独自技術“湿式ミリング処理”でセルラーゼを作用させやすくしたようです。米に麹菌を入れてブドウ糖を作るのと、セルロースに酵素を入れてブドウ糖を作る、作り方は似たようなものだけどアルコール度数2%にしかならないならエコじゃないかも。
「セルロースに食品用の酵素を加えて作ったブドウ糖に酵母を投入する」