【警鐘】元ゴールドマン・サックス営業が語る「資本主義の副作用」
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「資本主義の中心で、資本主義を変える」を執筆しました、清水大吾です。
世界の持続可能性が危ぶまれる中、「その原因は資本主義にある」という論調が増えてきているように感じています。
でもそれは資本主義そのものではなく、「資本主義の使い方に問題がある」のではないでしょうか。
資本主義の使い方を変えていくためには、資本主義の中心とも言える場所で力を持つことで、社会の「流れ」を変えていかねばならない。
そう考えて私が、ゴールドマン・サックスをはじめとして20年以上証券会社で奮闘してきた軌跡を本にまとめました。
私の、ちょっと特殊とも言える経験や知識が皆様に何かしらの気付きをもたらし、社会を変える「流れ」を作り出せることを願っております。
どうぞ、よろしくお願いいたします！組織は腐敗する、というのはほぼ普遍的な現象で、その理由の多くが、組織そのものの維持が最大の目的になってしまうから、というのもまた普遍的です。
社会に貢献するためでもなく、組織の構成員の利益のためでさえなく、ただ組織を維持し存続させるために多くの人間に犠牲を強いるようになる、イノベーションも起こらなくなる、というのも、普遍的といえるくらい、世界中でよくあります。
組織は腐敗する、というのは、世界的によく知られていることです。
それくらいよく知られているのに、同じ現象が繰り返される、というところにこの問題のむずかしさがあります。
ではどうすればいいのか、は、自明のことにはなっていません。
まず多くの人が考えるのは、組織が腐敗しないようにすることです。
規則をつくり、規律を確立する。
外部から新しい人間を入れていく。
新しい目標を設定して、意識を入れ替えて活気づける
構成員が学び続ける
といった、様々な対策が説かれ、実践されてきました。
それくらいで組織が腐敗しないなら簡単なのですが、やはりだいたいの組織は腐敗します。
それでは、ということで、組織をつぶしてどんどん新しい組織が立ち上がるようにすればいいのではないか、という考え方もあります。
これに関しては、様々な反論が出てきます。
・これまでに蓄積されてきた組織の資産やノウハウが失われてします
・多くの構成員が職を失う
・組織は新しければいいというものではなく素人が一から始めるのでは多くの需要に応えられない
どんどんつぶしてどんどん新組織を立ち上げる、といっても、これが政府のレベルになると、内戦とか革命とかいった話になります。たしかに混乱を招きがちで、リスクが大きいです。
そこで、制度的に革命のようなことができないか、というところに人類の叡智が絞られてきました。
選挙による政権交代など、その最たるものです。
企業という組織にしても、伝統などにこだわらず、必要に応じて集まり必要に応じて解散する、だけでは、そううまくもいかないでしょう。
しかし、組織の腐敗を避ける、という観点からいえば、組織が長期存続しない方がいいので、社会への悪影響が無いように離合集散できるならそれに越したことは無いでしょう。
たぶん米国式が今のところ一番効率的なのですが、社会への悪影響はあるので、模索が続きます。本日9月6日、新刊『資本主義の中心で、資本主義を変える』が、NewsPicksパブリッシングより発売となります。
担当編集の的場です。
本書の校正期間は、折しも企業の不正がたびたび報道された真っ最中。
著者の清水さんによる預言者のような構造の解説を、ぜひNewsPicks読者のみなさまにも読んでいただきたいと思い本書から一部ピックアップしました。
不正に加担する社員も「根っからの悪人」ではないはずです。
数十年も続く「不正のバケツリレー」はなぜ起こるのか。
その背景には「いずれ爆発すると知っている爆弾」が、バケツリレーのごとくせっせと引き継がれていく構造がありました。
本記事で紹介する新刊も、「世界最強の投資銀行」ゴールドマン・サックスで清水さんが闘ってきた、資本市場の奥深くまで切り込んだ一冊となっています。
ぜひご一読ください。
https://www.amazon.co.jp/dp/4910063331
