大学無償化制度利用でのFラン大進学、「高卒で就職より1000万円損」の訳
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私の住むアメリカの教育はダメダメと言われがちですが、数少ないアメリカの良心と思っているのが「コミュニティ・カレッジ」の仕組みです。
日本では該当する組織がないので、簡単に説明するときは「短大みたいなもの」と言ったりしますが、違います。短大は「その先」の選択肢がないですが、コミカレでは教養課程を終えて他の4年制に転学、職業訓練で資格を取って就職、単に趣味で授業を受けるのもあり、いろいろ可能です。
職業訓練では美容師、医療技師、消防士、建築、コンピューターなど様々。一旦就職した後のミッドキャリアで転職を目指す人も多いです。
一方、わが息子は高校を出たばかりの頃はぼーっとしていましたが、コミカレで教養課程をやっているうちに進路を決めて四年制大学に転学しました。
さらに、引退済み世代で絵画や古典を習ったりする人たちも多いです。私の同年代の友人も、コミカレで絵を習っています。
公立で学費も安いですし、こういう、いつでもやり直しがきく柔軟な仕組みが日本でもあれば良いのに、といつも思っています。
高卒で就職か、大学かという2択しかなくて、一旦決めるとやり直しが効かないのはキツイです。大学を緩くするというより、やり直しができやすいようにする仕組みが良いと私は思います。拝読して、地元のとある製造業の方が「高卒で明確に就職を考えて行動している子の方が、なんとなく大学にいった子よりも優秀である。そう言った子をとりたい」と言う話をされていたのを思い出しました。
地方のB2B中心の中小製造業、人材募集には苦労されている中でのお話だと主もいます。
また、大手製造業の地方工場において、地元就職の枠、高卒で入社して4年たつと、同じ地元採用の大卒と同じ賃金水準になるようになっている、と言うニュースも読んだ覚えがあります。
記事中で「社会全体が、仕事の見方を変えなければいけない」と言われていますが、否応なくそうなっていくような気がいたします。
大学進学率が増加しても、それにあわせて社会の労働力の需要が変化することは考えにくいので……。
ただ、新卒で大学に進学しなかった私としては、大学に進学していたら、その時しか得られなかったものはあったんだろうな、と言う漠然とした感覚が今でもあります。
そして、大卒で「高校卒業時にも就職できたところへ行く」ことはたぶんできますが、逆は難しいです。ですから選択肢を増やすと言う意味では、例えそれが決断の先送りに過ぎないにしても、まだ明確化していないのならば、悪い事ではないように思います。
一方で、問題提起として、学力に関係ない学費の経済的援助は、実質的にFランク大学への補助として作用するのみで、本人の為にはならない可能性がある、と言うことも理解できる気がするので……。
難しいですね。
例えば社会人に言った後で大学に戻るなどの選択肢を増やして多様化していくなど、複合的に考えて行くしかないような気はしました。