セブン&アイHD、そごう・西武の売却額は8500万円と発表
コメント
注目のコメント
丸井を百貨店の範疇で捉えてコメントされている方がいるので、百貨店業界に長くいた、専門家として少しコメントさせていただきます。
丸井は百貨店業態ではありません。
今、百貨店の魅力として考えられているのは、富裕層の塊である外商顧客を持っていること、そしてその年齢層が若い世代にも広がってきていることが挙げられます。また海外のインバウンド需要で求められるラグジュアリー商材を多く持っていることも挙げられます。
この2つとも丸井には存在しません。
若い富裕層は日本だけでなく海外の方も投資目的でロレックスの時計を買ったりしていますが丸井にはこういったラグジュアリーを展開することができません。
そういうお付き合いを丸井さんは取引先とこれまでしてこなかったのが大きな要因です。ラグジュアリーブランドがなぜ、百貨店の店舗に多く出店しているのかは外商顧客を持っているからです。
また丸井の時価総額を押し上げているのはクレジットカード事業です。
百貨店のビジネスモデルとは基本違いますし、小売業セクターだけをみると収益性が高いとは言えないでしょう。
私は決して百貨店業界にバラ色の未来があるとは思っていませんが、これからの所得の2極化が進む中で、信頼のブランドと富裕層との関係性を持つ百貨店には一定の存在価値があり、それは無くならないとみています。
ただ、その成長性というのがどこまでなのかと問われると、フェラーリがトヨタと数や売上で勝負していないように、ある一定の顧客層に向けた集中化戦略を取らざるをえないでしょう。
ただ、デパ地下のように一般大衆にも支持される部分もあるので、このバランスを一つの店舗で同どうバランス化するかが腕の見せ所です。
百貨店は一般大衆のものだという固定概念は捨て去る必要があるでしょう。
そこにヨドバシカメラが必要なのかと言われると配分の問題ではないでしょうか?ポートフォリオの組み方で店舗の顔は変わります。
ここが今回の西武池袋の1番の問題点でしょう。有利子負債は債権放棄分除いて2000億円強でしたが、それ以外にリースとか負債性のアセット200億円弱あったということですね。あと、債権放棄額が株主価値がこのケースのように小さくなるように調整し、企業価値は不動産売却額で調整されたバランスの中決まったのでしょうね。
トピックスにもあとで反映しておきます。これが現実だということです。
なぜ「実質的な売却額が8500万円」になったのかということを、そごう・西武の経営に携わった歴代の役員も、今いる従業員のみなさんも、色々主張する前に、こう際、胸に手を当ててよく考えるべきです。