ヨドバシHD、西武池袋店などの土地取得 3000億円弱で
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今回の取引はフォートレス目線からざっくり言えばこういうことになる(と私には読める)。
①2300億円を銀行から借り入れる。
②2200億円でそごう・西武を会社ごと買収する。つまり100億円は現金として手元に残る。
③会社買収と同時に、会社のバランスシートに載っている資産のうち、西武池袋の土地を3000億円でヨドバシHDに売却する。
④この時点で、手元の現金は3100億円になり、銀行借入を全額返済しても、手元に400億円残る。
⑤その現金400億円のうち、200億円をセブンCSカードサービスの株式購入にあて、残りの200億円を西武池袋本店など複数店舗の改装やそれ以外の設備投資向けに使う。
ぐるっと回って、自分の金を一円も使わず、そごう・西武のオーナーになり、設備投資資金も200億円手に入れる、という計算になります。ここから先の儲けは総取りになる訳なので、追加の資本的支出が多少あったとしてもまずまず儲かる取引になるはずです。トランザクションに関わる税負担についても彼らはなんらかの手当てをしているはずです。
ここから最終的なエグジットまでには長いプロセスがありますが、入り口としてはMBAのケーススタディに使えるレベルのいい仕事をしてくれました。評価されるべきディールです。ヨドバシHDさんは昔から一等地の土地を急がずに探しています。
今回も彼らの希望する条件に合った場所が見つかったので取得したのだと思います。
こういう会社はとても強いです。
成功のパターンがしっかりしています。果たしてストライキは意味があったんだろうか。そう思う人もいるかもしれません。
しかし、「連帯を求めて孤立を恐れず、力及ばずして倒れることを辞さないが、力尽くさずして挫けることを拒否する。」という先人の言葉にもある通り、行動したことにこそ意味があると思います。労働者にも物申す権利があると教えてくれた西武そごうの従業員のみなさん。心から感謝申し上げます。