【日本人が発明】「都会の小さな森」が世界で増殖している
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都市緑化、urban green spaceという考え方自体は、19世紀以前からヨーロッパにあるもので、特に英国の都市計画に顕著であるとされています。
日本人は、よく、「台湾で都市部にも森が多いのは、日本統治時代に神社をつくったからだ」といいますが、それはある程度事実としても、台湾人としては複雑に思う人もいるでしょう。
「神社の副産物としての都市部の森」、これは、当の日本ではむしろ消えてしまったところが多いですが、明治以来、柳田国男や南方熊楠も振興しようとしてきたものですが、もともとは、古代中国でコミュニティの中心に社稷、先祖の神と穀物の神を祀って木を植えていたことを輸入したものです。神道というのがだいたいはそういうものですが。
『周礼』に「設其社稷之、而樹之田主」とあります。
日本の神社の森というのは、神道の産物ですから、もともとの目的が、欧米の都市緑化とは違います。どうしても、生態系維持とかの目的にはそぐわないところもあるでしょう。
↓2021年のナショナル・ジオグラフィックの記事
https://www.nationalgeographic.com/environment/article/why-tiny-forests-are-popping-up-in-big-cities小さな森、小さな生態系が世界各地で広がっていること、また、その生みの親が日本の植物学者の宮脇昭さんというのは大変誇らしいことですね。
宮脇さんが日本の神社仏閣に古くからある雑木林に着目し、独自の手法に発展させたこと、森は生命の源であり、人間としての感性を高められる場所として着目してプロジェクトに取り組んだことは示唆に富みます。
さらに、宮脇さんの後継者であるシュベンドゥ・シャルマさんが、宮脇さんのアイディアとトヨタの自動車生産のノウハウを参考にしながら、「小さな森」のアイディアと育て方を世界の人々に届けようとする姿も勇気づけられます。
日本人によるアイディアが世界の人々の手によって事業化・プロジェクト化され、人類共通の目標に貢献していく。費用その他、いろいろ課題はあると思いますが、「小さな森」は都会に生きる我々にとって自然と共生するための新しい知恵なのかもしれません。バスケットボールのコート1面分ほどの小さな「森」が世界各地で流行っています。
植樹の方法は「宮脇式」というもの。1種類の木の苗をひたすら植えるのではなく、本来その土地に生えていた植物を複数種、密集させて植えるものです。
費用はかかるようですが、森の成長スピードも早いようです。
高速道路脇の空き地やごみ捨て場の一角に鬱蒼と生い茂ったミニ森林、環境面でプラスなのはもちろんのこと、見た目としても「オアシス感」が万歳で可愛らしいと思います。