「ありえない」と言われた「透明な半導体」生みの親が語る「日本の若者よ下剋上を目指せ」
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注目のコメント
珠玉の言葉が詰まったインタビュー。材料分野だけでなく全ての若手研究者に、またイノベーションを選択肢のように考える金融関係者に読んで欲しい。あとはマスコミ。
>日本のマスコミから非難の声が出たのです。要するに「それほど革新的な技術なのに、なぜまず日本メーカーとではなく、韓国のメーカーと先に契約するのか」というわけです。
>当時はちょうど日本のディスプレイメーカーが、韓国勢との熾烈な覇権争いの最中でした。そんなときに日本メーカーではなくサムスンと契約するなどけしからんと批判されたのです。
>ただし当事者である日本メーカーについては、どこからも文句は出ませんでした。キヤノンと一緒に主だった企業に声をかけたにもかかわらず、どこも断ったのだから文句のつけようがないでしょう。
(略)
>本音をいえば研究に取り組んでいて最も楽しいのは、流行りだす前から、少し流行りだした始めたぐらいの時期です。だから、そろそろ次のテーマに変えようかなどと思っています。
(略)
>これまでの研究に共通しているテーマが「電子の動き」です。成果を見れば、多方面に亘っていると思われるかもしれません。けれども、私の頭の中ではすべてつながっていて、どれも電子の動きが絡んでいます。アンモニア合成に使う触媒も元はといえば、超電導になる物質でしたから。
>ただ基本的に1テーマ10年、つまり一生懸命に続けられるのは10年ぐらいが限度と思っています。一方でそれぐらいの時間をかけて1つのテーマに打ち込んでいると、自然と次のアイデアが浮かんでくるのです。とはいえ10年で1テーマですから、研究者人生では4つぐらいが限度ですね。
(略)
>文献を丹念に読み込んで、現状の研究で抜けている穴を狙っていく人もいるようですが、私は違います。少なくとも私の場合、発想は自分の頭の中からしか出てこない。
>だから教科書を読むときも、書いてある内容に対して、自分なりに考え直しています。教科書にはこう書いてあるけれど、自分だったらこうしてみようといった感じです。
>電子の動きというのは、あらゆる現象のベースとなるものであり、しかもトンネル効果などという非日常的な動きもする。これは面白くて、いくらでも研究テーマが出てくるのではないでしょうか。IGZOの発明の元となる酸化物半導体の発明者の細野さんのインタビュー記事。もう御歳70歳になられるんですね。それにしても電子の動きに着目とはあるものの、様々な分野で成果のある論文を出されてるのがすごいの一言。酸化物半導体に関しては特にアモルファスシリコンの液晶パネルに関して、技術の寿命を明らかに伸ばしたのかなと思う。世界のディスプレイ業界に与えているインパクトで言えば城戸さんや細野さんのインパクトは本当に大きい。一方で、ディスプレイ業界での日本企業の凋落は残念無念な展開ですね。