日銀のYCC修正後も円安続く、植田総裁が為替相場に異例の言及でも
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円安が日本株上昇の要因であるならもっと株価上がってほしい!円安なのに株価下がるとかマズい。最近の鈍化はいわゆる夏枯れ相場であってほしい。でもコロナ前みたいに100円台に戻るのってイメージできません。
注目のコメント
相対的にインフレ率が低い通貨は高くなるのが通例です。1ドル100円の時にアメリカで1ドル、日本で100円だったハンバーガーが、アメリカで2ドルに上がり日本で100円のままなら、1ドル50円の円高にならないと、100円玉でアメリカのハンバーガーが買えなくなりますから。
そうであるにも拘わらず①日銀が円を大量にばら撒いて価値を下げる、②本来ならインフレ率と連動するはずの金利を極端に抑え込んで金利差を拡げて円売りドル買いの投機を生む、③貿易赤字が拡大して決済のため円売りドル売りが行われる、といった要因が重なって円安が進んで来たのが日本の姿です。
ここに来て貿易赤字は若干減り気味ですが赤字は赤字のままですし、金融政策を若干いじったとはいえ異次元緩和の枠組みは維持されたままで、円の大量供給と金利の抑制は続いています。しかも今では日本の実態的なインフレ率(→政府によるエネルギーコストの抑制を除けば4.3%程度)は、米国より高いのです(→円安要因)。
通貨の強さは国の経済の強さの反映です。IMFも世界銀行も、遅れて出て来たコロナ禍からの回復需要(ベントアップ需要、リベンジ需要)に支えられた今年、来年を抜けて日本がコロナ禍前の経済規模を取り戻した2025年以降は、日本の成長率は再び欧米諸国に大きく遅れを取ると見ています。国力の低下は円安要因です。金融緩和と財政支出に頼り切って、日本経済の本質的な成長力(=潜在成長率)を落とし続けた結果です。
上記のような情報は、そこから導き出される思惑も含め今のドル円相場に反映されていますから、この先のドル円の動きは、今は誰も知らない新しい情報で決まります。そういう意味でこの先どうなるかは神のみぞ知るですが、日本の国力が低下し続ける限り、円の実力も下がり続けるだろうことだけは間違いありません。一時的な強弱はいろんな思惑であるにせよ、これは、金融政策でどうにかなるものではありません。
日銀の思惑を無視したかの如く続く円安を目にすると、日本の国力低下がいよいよ本格的に為替に反映して来たように感じて不気味です。(・・;ウーン格付け会社フィッチ・レーティングスによる米国の格下げを受けて、米債利回りが上昇したって本当ですかね。
2011年S&P格下げの時は逆に米債利回り下がりましたけどね。
米リセッション懸念後退や利上げ観測の強まりとかが主因のような気がします。YCC修正によって円高に進む条件は、①正常化の第1歩とみなされること、②海外との金利差が縮小すること、の2点です。①については実際どうかは抜きに、対外的には緩和の持続性を高める措置と強調され、寧ろ緩和長期化との期待が持たれています。②についても米国ほか海外の金利が上昇しており、そうなっていません。もっとも、現時点ではドルそのものも決して強いわけではありません。145円を超えて150円方向を試しすには、「円安」に加え、「ドル高」の両輪が求められます。