気候変動のコスト、対策遅れると最大「3京2600兆円」…生物多様性の損失など換算
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東大さんのプレスリリース拝見しました。
・推計対象期間は2010年-2099年
・生物多様性の損失、健康被害などの非市場価値や気候変動の緩和費用も含む
・持続可能な社会(SSP1)が実現される場合の気候変動の総費用は、生物多様性損失や健康被害について将来割引を低く適用した場合、生物多様性の損失や健康被害等による経済被害は大きいが、緩和費用は相対的に低い
・一方、2℃目標を達成する場合には、緩和費用はかさむが健康被害や生物多様性損失は削減される
・いくつかの温暖化レベルと社会経済シナリオ(SSP)の組み合わせについて推計した結果、温暖化レベルにかかわらず、持続可能な社会シナリオ(SSP1)の場合に総費用が最小
・ただし本研究は、島嶼国への影響、文化喪失、ティッピングエレメント、急激な緩和策の採用による社会等損失等の要因は考慮されていないことに考慮が必要
持続可能シナリオのほうが緩和費用含めても長期的に低コスト(その費用をだれが出すのか、ですね)
https://www.t.u-tokyo.ac.jp/press/pr2023-08-02-001?hs_amp=true
注目のコメント
気候変動の影響は、人が直接感じる健康被害や災害、作物の減少だけに留まりません。植物や動物の生活環境が変わることで、一つの種が減ると次々に影響が広がる「ドミノ効果」や、食物連鎖のバランスが崩れる「カスケード効果」などで、自然界全体に大きな変化が起こることが危惧されます。これらの変化は、人々にとってさらに予期せぬ問題を引き起こすことも指摘されています。
これらの問題は後からお金をかけて修復するのは困難です。だからこそ、今からでも防ぐための投資と、被害を軽減する努力が必要なことを、今一度認識する必要があると思います。GDPだけを追い求めることの隠された弊害と言えると思います。
この様な生物多様性の損失や健康被害などのいわゆる外部不経済の試算は、気候変動の負の影響を具体的に示す上で重要だと思います。
環境や社会への負の影響はGDPなどの従来から追い求めている指標には表れてこないことが問題で、この様な外部不経済を組み込めるGPI(Genuine Progress Index)などの指標を使って欲しいです。そうでないとせっかく試算しても「へ~」で終わってしまうと思います。