【疑問】結局、マス広告の効果はどう測るのが正解か?
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TVCMの効果などは、一般的にデジタル広告と違って効果測定がしにくいとされます。この記事では駅のビルボードにまで言及しているので、なおさら難しいです。
ただ、これまで何度かNPでも触れてきましたし、自分の研究の宣伝になってしまいますが、TVCMの効果(認知率、購入換気率、興味・関心、好意)は実際にアンケートを取ったりしなくても深層学習をつかってある程度予想することができます。認知率とは何%の人が覚えている、見たことあると言ってくれるか。購入喚起率はCMを見た人のうち何%の人が買いたい、利用したいと思ってくれるかです。最近ようやく論文誌にも掲載完了しました。ビデオリサーチさんの調査結果との相関が0.7-0.8程度。非常に強い相関です。ちなみに、TVCMではGross Rating Point (GRP)といって、何%の視聴率を持つ番組にどれだけ打つかという累積値の指標で出稿料金が決まっています。しかし、上記認知率や購入喚起率とGRPとの相関は残念ながら0.2-0.3で、GRPは「CMの効果」との相関がほとんどないという結果であることもわかっています。
Li Tao, Shunsuke Nakamura, Xueting Wang, Tatsuya Kawahara, Gen Tamura, and Toshihiko Yamasaki, A Large-Scale Television Advertising Dataset for Detailed Impression Analysis, Multimedia Tools and Applications (MTA), 2023. https://doi.org/10.1007/s11042-023-14704-7「顧客のニーズを知る・掘り起こすことからがマーケティングだ」と教えられたのでちょっと違和感もあるのですが、いずれにせよ「小手先のマーケティングもどき広告」が通用しなくなったことは事実と思います。今まで楽をしすぎていたのかもしれません。
それにしても「デ・インフルエンシング」は知りませんでした。パワフルですが炎上リスクも高そう。でもインフルエンサー本来の姿としては確かにそうあるべき。競争が激しくなるとより原点に戻って「本来の価値」を追求せざるを得なくなるということだと感じました。長年のマーケティング経験上、確かにデジタル広告やタイアップは、効果分析が図れますが、確かにマスメディアやPRは効果分析は難しいのが実情です。
まずは、業界ごとにマーケティング費用の売上対比%は違うので、その把握が大事です。そして、業界の平均値であるマーケティング費用を出す余裕があるかは、売上規模と利益率によって変わってくるので、どの程度上下するかで、マーケティング費用の合計予算額が見えてきます。
TVCMの場合は、GRPといういわゆる視聴率の計算があり、一本のCMを打ち出すことで視聴者の記憶に残るための最低獲得GRP数が基準となります。
オムニチャネルと言われる時代においては、デジタルの重要度が年々増えており、どのような割合でマーケティング振り分けるかは、ロジック的な経験値とマジック的な感による判断ですね。