YCC運用柔軟化で長期金利の上昇加速、円高・株安の「玉突き」も
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注目のコメント
持続的に円高が進むのは、YCC修正の結果、
①内外金利差が縮小する場合と
②これが正常化の第一歩の場合です。
②については植田総裁も否定しています。物価の展望レポートでも2024年度末のインフレ予想が1.9%と目標未達。正常化第一歩との位置づけではありません。
次に①ですが、基本的に国内投資家の旺盛な需要によって、長期金利は0.6~0.7%台までの上昇にとどまると考えられます。その程度にとどまる限り、金利差変化の主役は米国金利に委ねられます。つまりYCC修正によって円が主体的に増価する可能性は現時点では低いと判断されます。
因みに、昨年12月のYCC修正前日のドル円終値は136.91円でした。①、②の条件を満たさなかった結果、現在のドル円はそれよりもドル高円安水準に位置しています。
(追記)会見を終えての追記です。最後に質問した日経新聞清水記者が、為替にも配慮したものかと問いかけ、総裁から為替市場のボラも考慮したとの発言を引き出しました。別記事でもコメントしておりますが、YCCの副作用は債券市場と為替です。金利を人為的に止めることで、海外金利上昇時に金利差拡大となり、そのはけ口が円安に向かうからです。6月末、145.07に迫る途中、神田財務官、鈴木財務相から相次いで「あらゆるオプション排除せず、適切に対応」といった趣旨の発言がきかれました。昨秋の介入前にきかれたコメントです。今回の修正は、為替(円安)にも相当、配慮したものと考えられます。会合前と同じコメントをしますが、これで日銀由来の円高材料は見通せる将来にわたって消失したと考えられますので円安に振れるのではないかと私は感じていました。今のところそのような解説が少しずつ増えているようにも思います
いゃ、日経新聞のリークとその結果。金融市場は波乱。今回の件で、これだけの影響。
いざ引き締めに転じた場合、金融市場の混乱は想像を超える。
市場対話ができるかどうか?黒田元総裁の異次元緩和の罪は大きい。そして、それを要求した安倍政権の功罪も。