10年ほどで休学者が“2倍”に…! 休学を選択する東大生が増え続けている“納得の理由”
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『大学の本来の在り方と経営は切り離さなくてはならない』
日本における大学数(4年生)(※1)は2022年度は790大学と出されているが、内4分の3を私立大学が占めている。
合格率は近年の18歳人口の減少にも関わらず、私立大学の入学定員は増加しており大学間の入学者数確保の競争は激化している。
志願者数3,822,509 人(前年比 99.7%)である一方、合格者数は 1,508,201 人(前年比 104.9%)と増加。
つまり、各大学が入学者の確保のため多くの合格者を出し、学生にとって入学が追い風になっているという事だ。(※2)
私が私大のキャリアセンターを回っていた2016年頃のいくつかの大学では定員割れの課題が顕著だった。
南アジアからの学生が半数以上を占めている大学もあった。
その背景として、私立大学の経営悪化が大きく影響している。
7割以上の私大が赤字経営と言われている中、もはや国内の入学者では経営に必要な定員を確保できなくなっているのだ。
しかしながら、海外からの学生を受け入れたとしても入学後にまた次なる課題が出ていることは議題から外せない。
彼らの日本の大学への入学目的がそもそも学業ではないケースが多く、入学後に「所在不明」となる学生も多い。では彼らはどこへ行ったのか? 一部では留学の在留資格を得たのち、就労を目的として入学する学生も多くいる。
大学経営を利益観点のみでしか設計が出来ないとすると、それは本来学ぶべき場、提供すべき教養・学びと社会に出るまでの猶予期間としての価値、それ自体が崩れているのではないか。
これは国内の入学者にも同じことが言える。
当然ながら、子供たちは「なぜ大学(専門学校)にいくのか」「そこに、またはその先に自分の目標や目的があるのか」を認識しなければならない。
ただ、日本はソーシャル、パブリックにおいても早期に広い視野で情報に触れる機会、「どういきるか」を考えることができる機会が欧米と比較すると非常に遅れていると感じる。
この、本来「どういきるか」という人生の根源となる一部に「大学」があるとすると、それに対して大学側は「なにを提供すべきが大学の大義か」を再構築する必要があるのではないか。(大学に限ったものではない)
※1 参照:旺文社 教育情報センター 「日本の大学数」
※2 参照:河合塾「2022年度入試情報」
注目のコメント
私も大学で教えるようになり、休学が学生にとってのわりと当たり前の選択肢の一つとなっていることに驚きました。自分が大学生の頃には、前向きな理由で休学する大学生はほとんどいませんでした。
「「エリートコースに乗りたい気持ち」と「周りとは違う何かをしようと焦る気持ち」との葛藤」という表現があります。意図して「周りとは違う何かをしよう」という気持ちは自分にもあったと思いますが、当然ながら、その前提として、自分がやりたいことを追求したいという気持ちがあることが大事だと思います。漠然と進学し卒業して社会人となり、そこで学ぶべきことがハッキリしてOJTで身につける。これが従来の姿。いま「学び直し」が重視されているのは企業に育てる力がなくなってきたせいもある。一方、在学中に休んで社会に出て、目的意識を持って復学する。このパターンが重要になってくるはず。長寿社会となり、雇用流動性も高まる中、学生やりつつ社会人という期間が10年ぐらいあってしかるべきで、そういう制度とカリキュラムの設計ができないかと思います。
ヨーロッパでは伝統的にギャップイヤーという制度があり、高校卒業から大学入学までの1年間自分探しをする期間が制度として定着しています。
この記事の休学の中身を見ると、まさにギャップイヤーにあたるものだと思いました。
また、休学しなくても、様々な社会の課題に自分が向き合う機会がたくさんあるのは素晴らしいことですね。
日本の田舎で、限界集落という世界共通の課題を見つけて一歩踏み出したという学生さん。もう立派なグローバルリーダーです。
安定はいつでもできるけれど、挑戦はできるときにしておいたほうが良い。
実感です。