FRB、0.25%の追加利上げ決定 インフレ再加速防ぐ狙い
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注目のコメント
昨日の別記事でもコメントしましたが、利上げ停止(インフレへの勝利)を宣言できる状況にはかなりの距離があります。データを挙げれば
・NY地区連銀のWeekly Economic Indicator(WEI=週次の米景気トラッカー)は今年に入り、底入れしており直近では上向きの兆し。
・ケースシラー住宅価格指数が今年1月を底に5月分まで4カ月続けて上昇している(住宅価格は帰属家賃の先行指標)
・50割れが続くISM製造業景気指数の先行指標である「新規受注指数-在庫指数」も1月に底入れしている。
・労働市場の求人件数/失業者数が低下基調ながら依然1.6倍と需給のタイト感が残っている(コロナ前は1.2倍程度、バイデン後も移民制限は大差なく、労働参加率も戻り切らず)など。
今後のデータ次第でまだ利上げがあり得ましょう。
一方でインフレ率の伸びが縮小している為、急速に米国の実質政策金利(=政策金利-インフレ率)が上昇しています。今後、経済に対する急ブレーキとなるおそれがある点にも留意です。
次の注目テーマは8月下旬のジャクソンホールでの講演となります。0.25%の追加利上げで、米国クレジットカードの金利がまたまた高騰しそうです。7月10日時点の平均金利は24.52%でした。
この恐ろしく高い金利水準は、延滞や貸し倒れが増加する可能性を示しています。住宅ローン金利もアップするため、消費が鈍る恐れも。
次はStayで状況を見守るのではないでしょうか。年内にもう1番利上げが行われるのかどうかが焦点になりそうです。
年内のFOMCはあと3回
- September 19-20
- October/November 31-1
- December 12-13
次のFOMCまでにFEDはあと2回インフレ率(7-8月分)の変化を見ることができるので、インフレ率が目標の2%にどれだけ近付けるか次第ですね。