巨大ITにデジタル課税「25年発効」 米への税収集中是正
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もともと法人税はPE(恒久的施設)なければ課税なし、というのが原則でしたが、製造業からITへの産業の変化により、PEではなくて、稼いだ国て最低限の税金は納めるようにしましょう、というのがOECDのデジタル課税の目的の一つです。
時価総額トップを誇る巨大IT企業、例えばGoogleであれば、広告やGoogle WorkPlaceなどのオンラインサービスは、日本のユーザーに対しての請求であっても以前はアイルランド法人から請求されていたため、日本での売上に対して日本で税金を納めていませんでした(現在は変更されています)。
収益を上げた国で税金を納めず、税金がかからない国または税金の安い国で納税するのはおかしいという国際的な課税の不公平を解消するための是正策です。
2021年の最終合意時には2023年の発行を目指していましたが、2024年に延期、そしてまた1年間延期し、2025年の発効を目指すとのことで、100以上の国をまとめるのは一筋縄ではいかないようです。国際会計基準の発効時を思い出しました。デジタル課税について、国際間の調整が進んでいます。
売上高200億ユーロ超で、利益率10%超の企業を想定し、金融や資源採掘の事業は除き、世界で該当するのは100社程度とのことです。利益の25%に課税する権利をサービスの利用者がいる国等に配分する、とのことです。
計算のイメージは付きにくいですが、今年の税制改正でグローバル・ミニマム課税が成立し、令和6年4月以降に適用がされますので、この中での調整になるのか。
グローバル・ミニマム課税
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kokusai/global-minimum/index.htm
世界で対象企業が100社程度とのことですので、一般には影響はなさそうですが、発効にはアメリカの批准が事実上は不可欠とのことです。
逆に、発効できなければ各国ごとの対応になり、別の形で課税する可能性があるとのことですので、むしろ発効がされない方が一般の企業まで営業が及ぶ可能性がありそうです。2021年10月に合意した新たな国際課税ルールの第1の柱が、いよいよ実行段階に入るところまでこぎつけた。第1の柱を実現するには、多国間条約の発効が必要である。その内容は、「デジタル課税」というが、別に巨大テック企業だけを狙い撃ちにした課税ではない。超過利益(独占利潤)にだけ課税し、それを市場国が税収として得る。そうした意図の課税である。