【必見】インドで空前の「起業ラッシュ」が起きている
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国家主導でUPIと呼ばれるデジタルの個人識別番号が完成したことが大きいと思います。銀行口座と紐づけられ町の露店でも資金決済はスマホ経由が主流で、しかも手数料は無料です。割り当てられる無料のデジタルロッカーでは、車の免許証や転職に必要な卒業証書や成績証明書が保管できます。都市部のインド人は車の免許書を出せと言われたらスマホで見せます。UPIを利用する海外からの出稼ぎ労働者の送金も手数料無料です。これらに付随してフィンテックなど起業ラッシュが起きています。また、農村でノーベル平和賞を受賞したユヌス方式を応用した起業がUPIで一段と活発化しており、大手行も参入してSDGsの観点で推進しています。UPIは世界中の多くの新興国にライセンス契約で輸出されています。ちなみに不祥事続きの日本のマイナンバー、もうやめてインドからUPIを導入すれば、遥かに低コスト、安全、便利になります。
インドの、中国や日本、台湾、韓国との違いとして明らかになってきていることは、
① 製造業のスタートアップはあまり出てこない
② 電力や交通といったインフラの整備が進まない
③ 農村人口が多く都市化が進まない(=人口は多くても教育を受けられる層が限られており、人口がそれほど都市へ移動しない)
ということです。
①~③は密接に関係していて、スタートアップがIT関係に限られていることの、主な原因になっています。
①インドでは製造業のスタートアップがあまり出てこない、というのは、パナソニックやトヨタ、サムスン、TSMCなどは出てこない、ということです。
中国でも、スタートアップはアリババやテンセントや滴滴が目立ちますが、BYDやファーウェイやハイアール、Mediaなども出てきています。
インドの製造業といえば、タタ・グループやM&Mもありますが、東アジアに比べれば、限られます。製薬は多いですが。
いいとか悪いとかではなく、インドは東アジアの諸国とはタイプの異なる国であるということです。
東アジア諸国の真似をすればいいというものでもないし、後追いでは勝てない可能性もあり、差異化が大事ともいえます。
しかし、東アジア型経済発展は、インドにはできないでしょう。
雇用と所得の向上を全国民に広く普及させていく手立てがない、ということであれば、インドの経済成長には限界があります。今年4月、蛯原さんがファウンダーのリブライトパートナーズ主催のリブライトサミットに参加する機会を頂きました。インドのスタートアップ経営者や主要メンバーによるピッチやディスカッションは、学びが多く、相当なページ数のノートを費やしました。懇親会でも、いくつかのファウンダーと話す機会がありましたが、その熱量と社会問題解決(とビジネスのグロース)にかける真摯さには圧倒されました。
とある経営者からは、是非、会社を見に来てくれということでしたので、行くと約束しました。比較的涼しい季節を狙って息子をつれて行ってきたいと思います。どの世代もそうですが、今の若い世代は、早いうちにインドには体感して触れた方がいいと思います。彼らと競争し、協力し合う関係になることは明白です。
インドについては、「今来ている」のではなく、ましてや「これからくる」のではなくて、もう結構前から来ていました、と考えた方が良いです。つまりは、これまで触れていなかった、知らなかったということであれば、急速なキャッチアップが必要です。
関連の記事は数年前からも出ています。下記、私が関わった記事です。他にも、蛯原さんのインタビューや寄稿記事などを中心に、数本は、NewsPicksに掲載されているはずです。
【蛯原×間下】インドには行って体感すべき理由がある
https://newspicks.com/news/2615713
こちらはもう6年も前。この場に同席しました。懐かしいですね。ただ、当時、蛯原さんと間下さんが指摘されていたことを、今日の日付に変えたとしても、一般的には、「東南アジアは近いが、インドは遠い」という間隔から、あまり変わっていないとも感じます。ある程度は近くなり、足繁く通う方も出てきてはいませうが、まだまだと思います。
INITIALのインドスタートアップシリーズ
https://initial.inc/featured/india-startup
こちらもすでに3年前。なお、インドのスタートアップについてはVenture Intelligence Unicorn Trackerの数字を使った方がよいかもしれません。こちらによると102社で、元記事で引用されたCBインサイトの70社よりも多いです。