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米ファイザーの肥満症治療薬、1種の開発中止

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    順天堂大学医学部総合診療科 准教授

    どんな薬であっても、有効性と副作用のリスクを天秤にかけて使われます。抗がん剤の様に使わなければ命の危険がある場合には、さまざまな副作用が現れてしまう事を受容して使用されますが、肥満を治療するのに肝機能にダメージが起きてしまうというのは、副作用の方が重いという判断だったのでしょう。

    肥満自体、心血管イベントや感染症の重症化リスクであることはわかっているものの、その治療については軽視されている印象があります。こういった薬の開発によって製薬会社には大きな利益が生まれると思いますが、救われる人も多数いるでしょう。

    懸念されるのは間違った使い方や乱用ですので、そういった方向に進まないような仕組みづくりが必要だと思います。


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    専修大学 商学部教授

    ファイザー社が開発を中止する「ロティグリプロン」と同社が開発を継続する「ダヌグリプロン」は、どちらもGLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)です。

    GLP-1RAの系統の医薬品は、2型糖尿病治療にはすでに使用されています。基本的な作用として、糖質などの炭水化物の摂取時に出るGLP-1という消化管ホルモンは膵臓β細胞に働きかけてインスリンを出させ、血糖値をコントロールする役割を持っているところ、GLP-1RAもこれと似た働きを起こすことにより作用します。またGLP-1RAは摂食中枢(脳)にも作用し、消化管の機能を抑制することにより食欲を抑える作用があるともいわれています。

    GLP-1RAでは、糖尿病治療薬として使うときの副作用の位置づけである「体重減少」がみられることから、これを主作用として設定した「抗肥満薬」目的に臨床試験を行い、開発を目指す企業がファイザー社を含め、複数見られます。

    今回ファイザー社が「ロティグリプロン」の開発を中止する理由は、臨床第1相試験における薬物動態データと、進行中の臨床第2相試験において、肝細胞の破壊時にあらわれる指標「トランスアミナーゼ」上昇が多くみられたことに基づいています。「臨床試験参加者に肝不全の証拠は見つかっていない」ともしています。

    他方「ダヌグリプロン」は臨床第2相試験を終え、「ロティグリプロン」と比較した場合において、有効性・副作用のバランスに優れると判断されることから、「ダヌグリプロン」を残すことにしたとも読めます。


  • WithMetis 代表取締役 理学博士(物理学)

    肝障害は、医薬品を開発するうえでは比較的よくみられる副反応です。肥満症では、投与する患者数が多くなると見込まれ、心疾患や脳血管疾患のリスク上昇ということは見られますが、そのような重篤なイベントが発生したわけではありませんし、痛みなどのQOLの低下が大きい訳でもありません。したがって、リスクの許容限度は大きくありません。

    肝障害については、前臨床でも試験はしているのですが、例えば、マウスやラットと肝臓での薬物代謝酵素P450のサブタイプの発現パターンがヒトと異なっているなどの差があります。(他には第2相の薬物代謝酵素やトランスポーターの違いもあります)

    開発を続けると書いてあるダヌグリプロンの方も、同じ標的を狙っている化合物ですし、形もよく似ています。これは、おそらくバックアップ化合物なのではないかと思います。こちらは、ヘテロ原子(炭素原子以外の酸素原子や窒素原子のこと)の入る位置が異なっていますし、その他の構造もわずかに異なっています。これによって肝障害が減ってくれればよいのですが。
    https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/Lotiglipron#section=2D-Structure
    https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/134611040#section=2D-Structure

    追記:
    ダヌグリプロンはファイザーの自社創製ですが、そーせいグループの化合物の方が以前、さらに期待できる結果が得られていたので、開発の順番を変えたようですね。
    https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/040700054/072900093/
    それで、今回、このような結果になってしまったので、自社創製の化合物の優先度を戻すということのようです。


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