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【解説】反乱、勃発か?今ロシアで起きていること

NewsPicks編集部
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    国際政治アナリスト 危機管理コンサルタント

    もともとプリゴジンは、2014年5月に、モスクワが不法に併合したクリミアでロシア軍を支援し、ウクライナ東部の親ロシア派分離主義者を支援するためにグループを結成したと言っています。
     その後ワグネルは過去8年間で、シリア、リビア、スーダン、マリ、中央アフリカ共和国、マダガスカル、モザンビーク、ベネズエラで活動を展開してきました。
     ワグネルは、昨年ロシアがウクライナを侵攻した後にウクライナに「帰還」。ロシア軍は緒戦で大きな損害を被り、プーチン大統領は戦場での助けをこのグループに頼らざるを得なくなりました。ワグネルは、ロシアの刑務所から戦闘員を募り戦力を増強。ワグネルが目に見えるような大きな戦果を挙げたのは今年1月。プリゴジンは、自社の戦闘部隊がウクライナ東部ソレダルを制圧したことを発表。
     さらに東部ドネツク州の要衝バフムトをめぐる激しい戦闘にワグネルは囚人部隊を投入して突き進んでいきました。バフムトの戦いではウクライナ軍とワグネル軍が激しい消耗戦を展開しましたが、この戦闘を通じてロシア軍上層部、とりわけショイグ国防相、ゲラシモフ参謀総長とプリゴジンの対立が激化していきました。
     昨年10月くらいからプーチンはロシア軍幹部の肩を持つようになり、今年1月にゲラシモフをウクライナの戦域司令官に任命しました。ロシア国防省はワグネル軍への武器・弾薬の補給を制限するなどしてワグネルに嫌がらせをし、ワグネル軍とウクライナ軍をバフムトで消耗させることを画策、ワグネルをバフムトで「捨て駒」にしようとしました。
     それでもワグネルは多大な損害を出しながらも4月にバフムトを制圧。5月5日には「武器弾薬不足」を理由に一方的にバフムトから撤退すると発表。その時プリゴジンはワグネル兵の遺体が多数横たわる中を歩く自らの動画をソーシャルメディアに投稿し、ロシア国防省を激しく非難しました。
     「数万人」がバフムートで死傷したとして、「この連中は志願兵として来てお前たちのために死んでいった。お前らが豪華なマホガニーのオフィスでぶくぶく太っていけるように」など、激しい表現を交えて2人を罵倒していました。
     プーチンは、ウクライナ戦争が泥沼化する中でワグネルの力に頼らざるを得ませんでしたが、結局、プリゴジンと国防省幹部の対立をマネージすることが出来なかったようです。


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    静岡県立大学国際関係学部 准教授

    ワグネル社は、本来、ロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)の手先です。
     日本の旧陸軍も、特務機関などを通して、大陸浪人と呼ばれた右翼の民間人を手先に使ったり、中国の軍閥や馬賊を補助的な兵力として使いました。その使い道の多くは、暗殺や略奪を含む汚れ仕事でした。

    GRUは、国内国外で、様々な汚れ仕事の手先を必要としています。
     ワグネル社は、特に国外での汚れ仕事をさせるべく、シリアやアフリカ諸国へ派遣されてきました。
     日本の旧陸軍も、中国東北部の現地人を満州事変に協力させたり、ロシア革命に介入するためにシベリアのコサックを協力させたり、アヘン貿易で機密資金をつくったり、中国にニセ札をバラまいたりしました。
     そういう国外での汚れ仕事を、(国益になるかはあまり考えずに)軍がやりたがる、ということがあります。
     しかし、ロシア軍が堂々と出て行って外国で汚れ仕事をすれば、国際的に非難されます。
     そのため、日本軍が大陸浪人にやらせたように、ワグネル社にやらせたりします。

    ワグネル社には、中東やアフリカで汚れ仕事をさせられてきた、という自負があります。
     GRUとロシア国防省にすれば、そもそもワグネル社に機密資金や兵器を融通して発足させてやったのだから、生みの親、という立場です。
     しかし、ワグネル社は、シリアやリビア、マリ、スーダン、中央アフリカなどで、戦闘だけではなく、現地の反政府分子の殲滅、拉致、拷問、暗殺などを請け負い、ダイヤモンドや金などでの支払いを受けることで、自分たちで稼いできたという自負があります。その稼ぎはそれなりに苦労して得たもので、2018年にはシリアで米軍の特殊部隊デルタフォースと戦い、数百人が壊滅したりしています。
     2022年からは、ウクライナでの戦いに回されましたが、実入りが無く、損害の多い仕事でした。

    日本でいえば、日中戦争で何でもありの大陸浪人部隊をつくったら肥大化して3万人くらいになったので、ビルマ戦線に送り込んだら不満が高まり反乱を起こした、というようなものです。
     そういう無法者を使うから反乱を起こす、というのがそもそもの原因で、ロシアの歴史ではよくあることです。

    【驚愕】プーチンの私兵軍団「ワグネル」とは何者か
    https://newspicks.com/news/8219401?ref=search_1125005


  • NewsPicks 記者

    【追記】
    起きたらやはりプリゴジンは諦めて撤退、その代わり罪には問われないことになったようです。
    プリゴジンはほぼ何も得られずベラルーシ送りになって影響力を失いましたが、一方のプーチン政権はこの動乱によって面目丸潰れになりました。
    多くの人の脳裏に「プーチン失脚」がぼんやりよぎり、軍部と自分が生み出した怪物の対立すら穏便にマネージできないことが露呈されました。
    こんな大打撃を被りながら、プーチンがこれまでに「出来たこと」はウクライナの国土20%の不法な占拠です。
    つくづく、こんな戦争終わりにして欲しいと思います。

    ウクライナ戦争は、きのうでちょうど開戦1年4ヶ月を迎えました。そんな日に戦争を始めたロシア側が大混乱に陥りました。
    突然、民間軍事会社の社長(実態はマフィアのボスのような人物)が武装蜂起を宣言し、ロシア軍のヘリコプターを撃墜するなどしながらモスクワ近くまで進軍しました。撤収の情報も出ていますが、余談を許しません。一体何が起きているのか、これまでの流れや背景をまとめてアップデートします。

    それにしても、今回の件はプーチン政権の脆弱性を露呈したのではないかと思います。支持率80%!みたいな話もありますが、結局国内が一枚岩ではないどころか、日本時間24日は世界中で多くの人の脳裏に「プーチン失脚シナリオ」が浮かんだはずです。プーチンが失脚したら、あるいはプリゴジン・クーデターが成立したら何が起きるか、妄想した人も少なくないのでは。
    いずれにしても、しばらくはウクライナ軍の反転攻勢に加えてロシア国内の動きも気になる日々が続きそうです。


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