「多様性の王」からの警告
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人に気付かれないほど小さい。けれども、あなたの周りにも確実に息づいているのが、今回の主役であるゾウムシなのです。正直、私はこれまでゾウムシをリアルで見たことがないのですが、それもそのはずで数ミリという小ささでは、偶然見かけるということは難しいですよね。この小さな存在が実は「超多様性」に富み、しかも彼らの営みに人間社会へのヒントが隠されているとは驚きです。ゾウムシはゾウのように長い“鼻”を持つことから名付けられたといいますが、実際は姿形も多種多様で、OISTが発見した新種はトゲトゲしていて「ちょっとかっこいい」なんて見出しで最近報じられましたね。象虫と題された図鑑によると、小島先生はこのように考えているようです。
「昆虫の中でもゾウムシほど、滑稽でユニークな形をしている虫はいない。悪臭を発し、刺す、噛むといった危害を加えることもない実に良い虫。ゾウムシは愛すべき存在。どうして皆そう思わないのか疑問に思っている」
一方、最近は防除対象の害虫として扱われるゾウムシもいますが、この“害”をもたらしたのは本当にゾウムシなのでしょうか。「警告」とは何か?メガダイバーシティーの世界にぜひ足を踏み入れていただけたらと思います。(子どもたちにも見てほしいなと願って概要文をあのように書きました)
【配信後記】
虫って面白い!と感じられる回でしたね。昆虫×AIの話にまで及び非常に楽しめました。発見されたゾウムシの8〜9割は、まだ名前がないらしく、名付ける作業が絶滅のスピードに追いついていないそうです。そこで様々な角度から写真を撮り、形態をAIが分類し記載できるようになれば、虫研究は飛躍的に進むとのことです。
小島先生は研究を通じ、様々な虫が警告を出していると感じるそうですが、割とぶっちゃけて思いを語ってくれました。
「僕は農大にいるが、農業、林業、造園は行き過ぎると悪で、生き物の多様性が失われる。そこで生き残るのは“害虫”(と呼ばれてしまう)。人が開発して“害虫”を発生させ、防除のために税金を使う。おかしいですよね。虫がいなくなるだけでなく、自然災害のもとになると虫の研究者は気づいていた」
今後カギとなるのはこの言葉だと思いました。
「虫にとって理想的な環境は人にとっても理想的」
海流に乗り世界に広まったゾウムシたち。彼らの言葉にぜひ耳を傾けていただけたらと思います。【6月21日(水)よる10時~】WEEKLY OCHIAI『「多様性の王」からの警告』を生配信するよ!
最近、人間は多様性が大事なんて言うけど、僕たちのそれに比べれば大したものじゃないかもね。だって僕たちゾウムシは“多様性の王”と呼べちゃうくらい、色んな仲間がいるって知ってた?
すごく小さくて、特別な人気もないから、普段は全然気にも止められないけど、地球上で最も種数が多い昆虫の中で、推定36万種もいると言われるほど種が豊富なんだよ。僕たちは植物とともに進化してきた仲間で、色、形、大きさ、生活の場や習性も様々!水中を泳いだり死んだふりもできたりするゾウムシもいるくらい!そう、僕らの生態は多様性という言葉では表せない、まさにメガダイバーシティー=超多様性を体現した存在なんだ。
でもね、そんな僕たちや他の虫たちが今「警告を発している」と東京農業大学の小島弘昭教授は話しているんだ。どうやら僕ら虫からの「警告」にはこれからの多様性社会を考えるうえで重要なヒントが隠されているらしい。僕たちからのメッセージ、多様性に富んでいる理由と、そこに隠された秘密に、落合陽一さんが迫るよ。
※ライブコメントからの【質問】に答えるよ!
ゲスト:小島弘昭(東京農業大学・教授)ど田舎に住んで、環境学を専攻しつつ、農業を勉強している大学生です。
環境保全型農業は今注目をすごく集めていますが、生物多様性といったところで、虫の多様性に着目するという点は非常に興味深かったです。
またaiタクソノミー、めっちゃおもろそうです