セゾン投信、中野会長の退任が波紋 顧客離れの懸念も
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注目のコメント
中野会長の退任は残念ではありますが、3年前に園部さんに社長を引き継いでおり、今すぐではなかったにせよ退任は予定されていたことだと思います。セゾン投信設立時からあるセゾングローバルバランスファンドは、インデックスファンドを組み合わせた投資信託で、投資方針が変わることはないはずです。解約するかどうかはお客さんの自由ですが、元々の投資哲学を維持するならば長期積立分散投資を継続したら良いと思います。
一方で、株主から見たセゾン投信の評価は割れるかもしれません。長期積立分散投資の啓蒙を長年続け、それを理解するお客さんが増えたことは評価されると思います。ただ後発の三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slimシリーズの累計残高はわずか6年で3兆円です。いいかどうかはさておき、商品ラインナップや販売チャンネルの多様化をすれば残高はもっと増えたのではと、株主は考えるかもしれません。政府の目線に立って言えば、
なんていうことしてくれたんだ、ということ。資産所得倍増プランが国民の共感を集め始めている矢先、子供の喧嘩のようなものは謹んでほしい、というのが官邸の本音でしょう。
もちろんセゾン投資は上場会社ではないので、あとは日本郵便とクレディセゾンがどう考えるかです。すべては、クレディセゾンの業績が今後どうなるかです。今年4月に公表された「資産運用業高度化プログレスレポート」でも資産運用会社の経営陣の選任理由についてはより充実した開示が必要との指摘がありましたが、セゾン投信のようにお客様との距離が非常に近い創業者兼CEOが退任する場合には、より丁寧なコミュニケーションが求められると考えます。
株主であるクレディセゾンや日本郵便にはそれぞれの判断があったのだとは思いますが、お客様の大切な資金をお預かりし、運用する立場の資産運用会社を所有するのであれば、そのようなコミュニケーションはより丁寧にしても良いように感じます。