新型株式報酬の課税増へ 新興企業育成に逆行も
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少しでも優秀な人材獲得をするために、スタートアップは必死です。また、スタートアップに入る人の中には、家族とも会議し、これまでの年収を大きく、下げてでも、新しいチャレンジに挑む方もいます。そんなスタートアップ業界において、知恵を絞って進化させてきた報酬制度がある程度浸透したこの段階での給与課税(※)は、明らかにおかしい。せめてもっと早くから給与課税の見解を出せたはずです。
(※ ストックオプションの行使時に行使者は株を入手することになりますが、その際に株を売ってなくても税金が高い人では50%近くかかるというものです。これまでの見解では、売却時に初めて20%の税金がかかるのみとされていました)
今や完全に日本経済の成長を支える一翼を担うスタートアップ業界を、国も一体となって応援してゆくことが、求められている中、まさに逆行していると考えます。
記事の最後の文章「政府・自民党は今後、影響を小さく抑えるための調整に入る見通しだ。」ここが当面のポイントでしょうか。
注目のコメント
外資系金融社員も似たような被害を受けています。外資系の多くはボーナスの一定割合を株式報酬として受け取ります。しかもかなりの割合をDiffered(在籍していたら1年後、2年後に付与という形)で受け取ります。税制上は権利確定段階で給与所得として認識され、まだ受け取っていない金額分にも所得税が課されます。その後、その会社に在籍し続け、かつ株価が付与時の水準を維持していれば問題はありませんが、直近で言えばクレディスイスのように株価が何十分の1になったとしても、払った税金は帰ってきません。
何が言いたいかというと、国税は基本「たくさんお金をもらっているであろうと人からは何とかして税金を取る」というスタンスだと感じてしまうということです。納税は国民の義務ですから、払うべきものは払いますが、今の日本は悪平等すぎると思う今日この頃です。やはり抜け道はダメよ、という国税庁の見解が出てくるわけですね。この件に限らず、法律の抜け道は、法律条文の解釈ではなく、最後は法の趣旨に照らし合わせて判断されることはあります。
違う話にはなりますが、過去にTOBルールの抜け穴の議論がありました。2010年、KDDIがJCOMの株主で、米リバティグローバル・グループが保有する中間持株会社3社のJCOMの持分を、3,617億円で買収を発表。この買収で、KDDIはJCOMの株式の1/3以上を保有することになりました。1/3以上の株式取得には、通常TOBというプロセスが必要であり、TOB規制の課題が浮き彫りになりました。KDDIはTOBルールに引っかからないようなスキームを取ったんでですが、ところが金融庁はこれを法の趣旨に照らし合わせて「脱法的行為」と判断したということがありました。
https://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-13596320100128
今回の問題の裏にある本質的な問題は、税制適格SOが厳格すぎるというところ。国としてスタートアップを支援するのであれば、税制適格SOの見直しを是非お願いしたい。手前味噌ですが、信託型ストックオプションとは何か、についてまとめた記事をアップしました。
基礎知識を得たい方はこちらを参考にしてください
https://newspicks.com/news/8497563?utm_source=newspicks&utm_medium=urlshare&invoker=np_urlshare_uid126505&utm_campaign=np_urlshare