経産省、高性能の半導体製造装置を輸出管理対象に 7月23日施行
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コメントを見ると誤解があるようだ。
23品目の中には先端半導体だけの製造装置と非先端半導体も作れる製造装置が混在しているのは事実だが、それを区別できないわけではない。
しかもトランプ 政権の時から先端半導体を作るEUV露光装置は対中輸出を止められていたので、これに連動して先端半導体用の装置は事実上すでにストップしていた。
また大半の半導体が該当するというのもデタラメ。軍事を使われても非先端半導体は該当しない。むしろこちらの方がボリュームゾーン。
これらの結果、実態的な影響は限定的。高性能なSoC半導体(CPUを集積したプロセッサやアクセラレータチップ)は、敵のミサイルを追尾計算したり、その結果に基づいて迎撃したりできます。IntelのPC用チップでさえ、ミサイル迎撃などのソフトウエアアルゴリズムをチップに組み込めば軍事転用できます。つまり高度な半導体は民需にも軍事にも使えるのです。製造装置でさえ同様で、微細化寸法が完全に飽和してしまっている現在、先端的な製造装置と先端ではない製造装置を区別することが難しくなっています。規制が厳しすぎると、企業側は売り上げが低下します。緩すぎると中国ロシアの軍事力を強めます。
また、製造装置にも今やAIを使って歩留まり低下や生産力低下を予知し、歩留まりを低下させないようにしています。
経産省がむやみやたらと規制を強化すると、TELやSCREENなどは業績が悪化し、日本経済を傷つけます。政治的にうまくやっていただきたいものです。半導体を取り巻く各種規制が熱を帯びてきました。
かつて中国は自国が豊富に持つレアアースの輸出を制限し、その結果レアアースを使わない磁石材料、電池材料の技術が一気に伸びたことがありました。
今回は規制の矛先が中国に向かっているわけですが、その結果中国の半導体技術が一気に進展する可能性があるので、注意が必要です。
さて、ひとえに半導体と言っても世の中には色々な種類の半導体が存在しており、その分類方法も様々です。
皆さんにとって一番わかりやすいのは「機能」による切り口ではないでしょうか。
数値演算に向けたロジック半導体、情報を記録するメモリ半導体、大きな電力をスイッチングするパワー半導体、様々な物理量を検出するセンサー向け半導体などが存在しています。
これらの半導体の中で、非常に高い技術力を必要とするのが、原子10個分くらいの幅しかない線路で回路を描く必要があるロジック半導体となります。
今回規制する23品目は主にロジック半導体を狙ったものと考えられますが、これに規制が入ったからと言って中国が大打撃を受けるかと言うとその限りではありません。
半導体材料であるシリコンを扱う技術力の高さは、かつて結晶系太陽電池の世界でターンキービジネス化によって一気に覇権をかっさらった実績から世界の知るところです。
そう言った技術が横展開できる回路線幅の小さな半導体、具体的に言えばパワー半導体などは規制されても製造が可能な状態と言えます。
ちょうどパワー半導体の重要市場である自動車は中国が世界の中心市場となっていますし、中国にとっては大きな打撃にはなりづらい可能性が大きいと考えます。
(ただし半導体市場全体を見た時に自動車向けパワー半導体は大きなパイを占めているわけではないのでご注意を)
ちなみに今回の規制については政府発表資料が非常にわかりづらいので、下記解説記事が参考になると思います。
【参考】
ここが変だよ 日本の半導体製造装置23品目輸出規制
https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2304/25/news042.html
7月から半導体製造装置23品目を新たに輸出規制対象に、その対象品目の内訳
https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2304/06/news050.html