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開発中のアルツハイマー病治療薬、進行を35%抑制=米イーライリリー

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    マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー

    まだ企業のプレスリリースの段階であり、最終的な評価は査読付きの論文の公表を待つ必要があります。

    公表された内容によれば、タイトルの通り、認知症症状の進行を18ヶ月の観察期間で35%抑制したということです。

    楽観的に捉えれば、先行して報告されたレカネマブと同様、アミロイドベータに対する投薬で認知症の進行をゆっくりにできることが繰り返し示されたと言えます。もう少し悲観的な言い方をすれば、同種の薬剤の効果は、進行をやや遅くするだけで、認知症を改善することは期待できない現実を繰り返し知らされたとも言えるかもしれません。

    「今回のデータは、これまでのアルツハイマー病治療薬の第3相試験の結果としては最も強力だ」とのコメントが記載されていますが、過去の薬剤とは対象となる患者が異なり、数字だけでその効果を比較することはできません。最も強力かは正直なところ分かりません。

    また、今回のドナネマブでも投薬と関連した死亡が複数報告されています。少なくとも2人は薬剤のよく知られた副作用である脳のむくみや出血が原因で死亡したと判断されています。

    また、過去の同種薬剤では長期投与により逆に脳の萎縮が進行する可能性も指摘されています。長期成績に対する疑問符もつく中、まだ曇り空がスッキリ晴れたという現実ではないという捉え方をする必要がありそうです。

    参考資料
    https://investor.lilly.com/news-releases/news-release-details/lillys-donanemab-significantly-slowed-cognitive-and-functional


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    順天堂大学医学部総合診療科 准教授

    認知症は高齢化社会を迎える上で、最も克服したい疾患の一つです。2040年には世界に影響を与える疾患の第6位になると推計されています。

    この治療薬は、対象者の35%に有効性を示せたという事で、アルツハイマー認知症の治療薬として新たな手段になりそうですが、一方で、逆に考えれば65%の人には効果はなく、臨床現場で有効性を実感するまでには至らなそうです。

    また、35%の対象者に有効性が示せたとの事ですが、どの程度の有効性だったのかは調べた限りではわからなかったので、論文としての報告が待たれます。

    使い方のポイントとして、アルツハイマーと診断されたら早急に使う必要があり、重症のアルツハイマーには効果がない様です。

    薬の安全性については全体の1.6%(1182人中、約19人)に重大な副反応があり、そのうち2人は亡くなったと報告されています。


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    ノンフィクション作家

    製薬の世界では、同じ作用機序の薬をねらって各社が開発をするということがよくあります。抗アルツハイマー病薬の場合も、アミロイドベータを標的にした抗体薬の開発は、2000年代から始まり、失敗の連続でした。

    それゆえに、そもそもアミロイドベータを標的とすること自体が間違いではないか、アミロイドカスケードセオリー自体が間違い、とするコメントは、ニュースピックスでも、「アデュカヌマブ」の論争の際、多々見られました。

    しかし、「アデュカヌマブ」やそれまでの抗体薬の治験結果がかんばしくなかったのは、理論が間違っているからではなく、治験の設計自体があやまっており(最適投与量、患者のスクリーニングなど)、後発の会社は、先発の失敗に学びながら治験の設計を変えてきたのです。

    エーザイの「レカネマブ」とイーライリリの「ドナネマブ」のフェーズ3の成功はその結果です。

    今後は、どちらがこの分野の「ベストインクラス」になるかどうかの戦いになってくる、ということです。

    エーザイのレカネマブは、7カ月早く、フェーズ3での評価項目を達成しており、早く販売網をととのえ市販を開始することができます。また、他の抗体薬だと、ARIAの発生をふせぐために、徐々に投与量をあげていくタイトレーションが必要ですが、レカネマブは必要ありません。そのあたりのことが勝敗を決していくように思います。


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