あの悲劇から10年、日本のファッション産業はどれだけ透明になったのか(ならなかったのか)
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注目のコメント
2013年にバングラデシュで起こった「ラナプラザの悲劇」は、とても痛ましい事件でしたが、ファッションはサプライチェーンにまつわるすべての人々の幸福のうえに成り立つべきものであるとの認識が高まる契機にもなりました。
縫製従事者を含めた人権尊重や、服の価格の在り方などについて議論も進みましたし、トレーサビリティやトランスペアレンシーといった説明責任の必要性が広く周知されたことに加え、人権デューデリジェンスの導入にも寄与しました。
環境負荷の低減や、循環型の仕組みづくりなど温暖化対策も重要な課題ですが、サステナビリティの取り組みのベースは、産業従事者の幸福だと思っています。日本で服を作りたくても、工場もなく、作れる人もいないと聞きます。
資本主義、グローバリズムの限界を感じます。SHEINのような服を買う人がいる限り、この状況は変わりません。サステナブルのアパレルブランドでアルバイトをしていますが、アパレルブランドには透明性が本当に重要だと思います。
材料から縫製、運送、消費、廃棄までどのくらい環境に負荷がかかるのかを把握しているブランドは今どのくらいあるでしょうか?
もちろん、縫製や流通が多様化している今、完全に数値化することは難しいです。
しかし、生産者側でさえグレーであれば、消費者は知る由もありません。
10年前の事故のように、サステナブルとは環境問題だけではなく労働問題もクリアにしていく必要があると思います。「ファストファッションを買ってはいけない」のではなく、「1つの服に責任を持つ、自覚する。」ことが消費者にとって始めるべきことだと思います。