【図解】超複雑企業・楽天を「8つの事業」で完全理解
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ECを起点に集めたメンバーシップのアセットに、クロスセルができるポイントマーケのケイパビリティをかけあわせ、あらゆるサービス領域をまたぐ楽天エコシステムの勝ち筋をつくったこと。これが楽天のユニークさ。スポーツ事業参入によるブランドの資産化により、それが圧倒的な強みに変わっていった。よくいわれる楽天の金融事業が無双であるのは↓でもコメントした通り
https://newspicks.com/news/3252260
いまの楽天モバイルを見ていると、2014年頃の海外事業を思い出します。海外ECと海外コンテンツでそれぞれ累計1,000億円以上の投資をするも、赤字構造から抜け出せず、投資家からも批判の嵐。海外ECは多くの国で撤退、海外コンテンツはトップ交代など大きくターンアラウンド。後者の複数プロジェクトを直に推進していた中で、楽天の経営の強さと、海外M&Aの難しさを肌で感じました。
一方で違うのは、70以上のサービスの一つとしてとらえるにはあまりに大きなリスクテイクをしており、かつ規制産業の中でエグジットの道が用意されていないということ。加えてM&Aでなく自前の立ち上げであるため事業として軌道にのせるまで時間もかかる。これこそビジョナリーカンパニーでいうところの不退転のBHAG。
金融事業、たとえばカードも、規模は違えど相当なリスクのある事業を買収してから20年弱でここまでの収益源に育ててきていますので、長尺でみれば楽天モバイルも圧倒的な経済圏のコアにしていけるのではないでしょうか。ただし海外事業もそうでしたが、過去の楽天の大勝負はだいたい5年くらいで撤退かスケールかの機運が決してきたのも事実。社会が、市場が、そして社内がその時間軸に耐えられるかが勝負ですね。三木谷さんの隠れた(隠れてない?)日本を誇りに思う愛国心というか憂国の想いについてコメントしました。他にもありますが、アニュアルレポートの表紙のエピソードを選んでいただきました。
楽天の歴史を振り返って思うのは、ECにせよ、金融にせよ、スポーツにせよ、(実現しなかった)放送とインターネットの融合にせよ、最初はだいたいメディアも市場も周囲の人も大反対だった、ということ。数年経ってからその構想が現実のものとなり、やがて世の中の当たり前になってきています。
特に金融事業は株式市場から「シナジーがない」「損失が大きい」と毎日毎日叩かれていましたが、今は中国・米国のインターネット企業も真似するビジネスモデルとなりました。
モバイルも乗り越えられないものではないと思って応援しています。お読みの方はお分かりのように、携帯事業は数少ない自前立ち上げの事業です。「短期的利益を犠牲にしても次のフロンティアを目指さないといけない」とは星野佳路氏の指摘ですが、上場企業でこれができるところは少ない。昨日のプラチナバンド報道もそうですが、「楽天を潰してはいけない」というムードが政府にもできあがりつつあるのでは?いずれにせよ、ここ2,3年が勝負のように見えます。