【体重2割減】「最強のやせ薬」に熱狂する人々
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実にアメリカの子供の5人に1人が自殺を考えたことがあるという問題は,こうした安易な解決法の蔓延に起因するかもしれない.35億年かけて作られた複雑系を理解しているとする誤謬.アメリカの子供に起こることは日本でも世界でも起きる.
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GLP1受動体作動薬が現れた時に、体重減少の効果があると話題になり、肥満の糖尿病患者に対して非常に効果的な薬となりました。GIP受動体作動薬も、同様に体重減少の効果が知られており、この両方の成分が含まれたGIP/GLP1受動体作動薬に期待が寄せられました。
アメリカでは肥満が国民病の様になっており、もしも肥満の治療薬が発売されれば、コンプレックス商材の要素も加わり、大きなニーズがあると思います。
ただし、誰でも自由に使える様にしてしまうと、平均体重の人がさらに痩せようとして使われる可能性があり、乱用につながる恐れがあります。そのため、肥満を生活習慣病と捉えて、適切な使用につなげることが重要になります。
念のためですが、本薬剤は糖尿病治療薬であり、肥満患者に使われるものではありません。肥満患者を対象とした治験が行われ、適切なプロセスを経て、肥満患者を対象とした治療薬であると承認される薬が販売されるまでは、リスクとベネフィットの評価が不十分であり、間違った使い方はしない方が良いでしょう。GLP-1受容体作動薬をはじめとした糖尿病の治療薬で体重減少効果のあるものは、近年の糖尿病治療や肥満の治療においてもトレンドになっており、様々なメリットが期待されています。注意すべき点は、「体重2割減」などという数字の元となってる臨床試験は、重度な肥満をもつ欧米人を対象にしたものであるということです。つまり、痩せる余地が大きい患者さんが対象になっているということあり、中肉中背の日本人が同様の効果を得られるかどうかはわかりません。
オゼンピックについて、日本人を中心とした東アジア人を対象とした臨床試験では、肥満症患者401例(年齢51歳、体重87.5kg、BMI 31.9kg [いずれも中央値])をランダムに割り当てたところ、週1回2.4mgの皮下注射によって、約1年半で13.2%の体重減少がみられ、プラセボ群(-2.1%)と比較して有意な減少がみられました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35131037/
この臨床試験ではBMIが27以上の方を対象にしており、BMIの27未満の方にはこの結果を適応できないことに注意が必要です。また、GLP-1受容体作動薬には悪心、嘔吐、便秘、下痢などがあり、使用はメリットとデメリットを天秤にかけて検討することになります。有料記事ですが、私のトピックスの方でも同薬剤について先行して使用されている米国での現状とともに詳しく解説させていただいています。ご関心のある方はぜひこちらも併せてどうぞ。
https://newspicks.com/topics/yuji-yamada/posts/63