G7財務相、金融安定へ行動用意 米銀破綻や混乱に対応、声明採択
コメント
注目のコメント
毎年この時期にワシントンに金融界の実力者が集結します。IMFと世銀の大きな会合に出席するためです。当然、全体のトーンはIMFの世界経済見通しに左右されます。これがSVB破綻の余波から金融危機のリスクを重視して慎重な見通しだったことから、G7もこの流れを踏襲しました。但し、原稿段階ではクレディスイスがどうなるか分からないタイミングだったと思います。もう完全決着したので、その分は割り引いて考えて良いと思います。
昨夜公表された前回FRB議事要旨からも、利上げが金融システムにはリスクとなる一方でもう少し利上げ必要な状況認識が明らかになり、欧米はじめ各国で粘着質インフレ克服するには覚悟が必要と共通認識示されたものかと。
〜とは言え一部でも銀行破綻あったりすると実質金融緩和せざるを得なくなり実際なかなかインフレ克服への道は険しいものでひとことでいえば、今回のドタバタは80年代の第一次S&L危機と、その次の94年の金利上昇期に起きた一連の金融機関破綻の再現。08年の金融危機のあとハードルが上がった金融規制を緩めたところでリスクマネジメント能力が不十分なプレーヤーが倒れた、という現象です。これを受けて、金融システムの安定化を図る介入は積極的にしながら、同時に規制のハードルを再び引き上げる(自由にさせてみたら、案の定出来の悪いところが金融システム安定の足を引っ張る事態を招いた)、というのが「適切な行動」の内容で、少なくとも米国の財務省・FEDを含む金融政策の中枢にいる人々の間ではそういった議論がされています。その余波で、新規に金融に参入しようとするフィンテックベンチャー(実績のない人たち)には、しばらくかなり強めの逆風が吹くでしょう。