【カオナビ社長】人的資本経営の前に、企業が取り組むべきこと
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実は、社員クチコミも人的資本情報の開示データとしてよく使われます。本記事内にあるとおり、エンゲージメント調査は観察者効果が働いてしまうので、より生々しいデータを開示しようというのが狙いのようです。自由演技項目に見えますが、ISO30414の項目にも準拠しており規定演技に近い開示のされ方となります。
別の観点で話題になっているドイツ銀行は、ISO30414認証された”Human Resources Report”を出していますが、社員クチコミサイトGlassdoorのデータを”Employer brand”として開示しています。
また、日本でも味の素様がIRの場でOpenWorkのデータを開示していると聞いています。
というのも、当社OpenWorkのデータも企業の業績や株価と強い相関が確認されており、査読付きの論文が発表されています*1
このデータを、オルタナティブデータとして海外の機関投資家が投資に活用しています。とくに、"働きがい"や"働きやすさ"といったデータが2-3年の遅効性をもってに売上や利益率に影響してくるというデータは貴重だと、海外のヘッジファンドチームのデータソーサーの皆さまからお褒めの言葉をいただくことが多いです。
たしかに、上場企業各社の社員クチコミの"組織体制・企業文化"の項目を読むと、「この会社は今後厳しくなりそうだなぁ…」というのが直感的にもわかります…。
*1
一般社団法人日本金融・証券計量・工学学会 19巻(2021)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jafee/19/0/19_79/_pdf/-char/ja人的資本経営の「自由演技」はまさに会社から従業員へのメッセージ。従業員が辞めない前提なら、プロダクト市場でのブランド低下を回避するために、都合の悪い数字は出さないという判断が多かった。エンゲージメントを感じなければ従業員が辞めてしまう前提で、どこまで、都合の悪い数字も開示して本気のメッセージを現在そして未来の従業員に出せるか、が重要ではないでしょうか。
ここ数カ月はChatGPTに盛り上がりつつも、同じく今年必ず盛り上がるであろうテーマが「人的資本経営」。
特に今年は、人材の多様性などにまつわる情報について、有価証券報告書(通称UFO)への記載が求められる「人的資本経営・元年」。
思えば、10年以上前。「1億円プレイヤー」なる役員報酬1億円以上の役員を有価証券にて開示するルールが定められました。
それ以来、さまざまなメディアで「ランキング」として話題になりました。
今回も同様に、ランキング記事が相次ぐかもしれません。もちろん、こうして外部の目にさらされる形で、良き方向にガバナンスが働くこともありそうです。
とはいえ、数字を改善することが自己目的化することも予想されます。というわけで、今後も人的資本経営にまつわる記事を配信し続けたいと思っています。
そこで今回、カオナビの佐藤社長に忌憚なき意見をぶつけてもらいました。