大規模言語モデルで崩れ去る日本市場への参入障壁
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注目のコメント
警鐘としては必要と思いつつ、個人的にはやや大袈裟かもという印象も持っています。
ネット上の大量の情報を学習したLLM(大規模言語モデル)は、言ってみれば、世界中の一般常識が詰め込まれた、ある種のデジタルツイン社会と捉えることもでき、実際、この観点からChatGPTを一つのマーケットと捉えて市場調査を試みる研究も出てきています。
ですが、「入念な市場調査を踏まえて販売したものの、全く売れなかった」というケースは見回せばいくらでも存在することを思うと、LLMがあれば「文化の壁」を越えられるというわけでは全くないように思います。
また、たしかに言語の壁が下がることによって、海外企業が日本市場の情報を収集しやすくなるものと思いますが、各国で独特の商習慣があることを考えると、言語の壁がなくなることがすなわち参入障壁を低下させるとするのも、やや楽観的すぎる気もします。
「文化の壁」「言語の壁」と「市場の壁」はイコールではないですし、言語モデルがありさえすればうまくいくほどビジネスは甘くないという実感です。革命的なビジネスツールを手に入れたことには間違いないものの、国を跨いだビジネス展開の難しさや厳しさには何ら変わりなく、冷静さが必要という所感です。ChatGPTを始めとした大規模言語モデルは、日本のスタートアップ業界を大きく変えるかもしれません。とくに、日本市場への参入障壁は崩れ去ってしまうことが予想されます。
大規模言語モデルが日本のスタートアップ業界に与える影響について、CoralのJamesがブログを書きました。一つの可能性として、頭に留めたい。
日本語という言語でもLLMやそれを応用したサービスがスムーズに使えるメリットと、そこが実質的障壁として機能していたところが変わる可能性。
AmazonやAppleなど、規模が大きいものは、日本語化されて、日本でも雇用も生みながら適応している。ただ、一定の規模がなければ日本にローカライズすることは難しく、TAMも広がりにくかった。その閾値は変わりうる。