メーカーの深刻な悩み「在庫問題」を一掃するには？
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メーカーによるブランドを棄損しないという名目の大量廃棄が通じなくなってきているという事実については、本記事に記載されているラグジュアリーブランドの事例とともに、フランスによる世界初の「売れ残り衣類廃棄禁止令」なども世の中の流れとして引き合いに出されやすいと思います。
メーカーやブランドが信頼できる二次販路の確保はニーズがありますが、一方で余剰なものは生産しない・需要予測をしっかりと行うという風潮も一部先進的な事業者で出てきており、これからも両輪で進める必要があると思います。
また、PINCH HITTER JAPANのようなレスキュー事業者でも残念ながら捌ききれなかったモノの活用先として、高度なリサイクルで素材として有効活用する、アップサイクルに利用するなど、工夫を示す必要があると思います。キャッシュフローの悪化、ブランド毀損、卸先とのトラブルなど、様々な問題に繋がり得る「余剰在庫」。そこへ画期的なソリューションを提供し、急成長を遂げているPINCH HITTER JAPANを取材しました。
同社の’19～’21年の成長率は426％にのぼり、イギリスの経済誌『Financial Times』選出の「アジア太平洋地域急成長企業ランキング」に、長崎県の企業として初ランクインしています。
そのビジネスモデルの大きな特徴は、商品を選ぶことなく全量を買い取る「一括買取り」を基本としている点。そして、顧客が売却後の販売経路を指定できる点。
同社はなぜそんなことが可能なのか。秘密は、国内外で開拓した3500社にものぼる膨大な販路があるからだといいます。そして、それをネットリサーチだけでなく“人力”で開拓することで、ネットには上がっていない重要販路にも辿り着けているのだそうです。
ネット世界だけでなく、リアルでしか存在しない世界にもしっかりリーチする。検索では出てこないリアル世界こそが、フロンティアになりつつある──。その観点から、とても興味深いビジネスモデルだと思うと同時に、いろいろなビジネスに応用できそうな構図だと感じました。お話をお伺いしました。アパレルなどのメーカーが抱える「在庫問題」。大量に作り、余った商品を在庫として抱え、売り切れなければ廃棄 or 二次流通に回すといったプロセスを経ていくものですが、廃棄も二次流通も簡単にできない時代になってきました。
廃棄はSDGsや環境負荷の視点から廃棄を抑制する流れがあり、二次流通にまわすと販路によってはブランド低下に影響を与える可能性がある……。そんな多くのメーカーの悩みを解消するのがPINCH HITTER JAPANです。
その手法として同社が提供しているのが「在庫の一括買取」。この言葉だけを見るとさほど新しさはないのですが、お話を伺うと他社が簡単に真似できないビジネスモデルであることがわかってきました。「在庫の一括買取」ビジネス、実はけっこう奥深いです。
