「さようなら、またね」 八重洲ブックセンター本店の建物が“複雑”で面白い
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注目のコメント
詳しすぎる八重洲ブックセンターの歴史。再オープンを楽しみにしています。
ちなみに、八重洲という地名は、徳川家康に仕えたオランダ人ヤン・ヨーステンの名前に由来するといいます。
徳川家康に虎を12頭献上してとても喜ばれたということです。政治的な贈り物にも寛容な時代でしたね。八重洲ブックセンター、一時閉業。その数奇な歴史が面白い。蔦屋書店の「ライフブラウジング」型書店ではないですが、そこならではの場所にいきたくなるような仕掛けがないと、生き残っていけない。
少し小噺。仙台メディアテークという図書館機能を中心としたメディアコンプレックス施設があり、その設計競技・コンペが2000年ころに建築学科生の間で話題になりました。1位は伊藤豊雄の設計で、文句なしの空間・構造デザインで、いまでも日本の現代建築の最高峰の一つといえる内容。
おしくも2位になったのが古谷誠章という建築家のアイデアで、これが面白かった。図書館を中心に施設全体にいろいろな機能をちりばめて設計し、本をどこで読んでどこで返却しても良いというシステム。本の所在が散らばっていくことで、多様性のある空間が本を起点に年月をかけて変化していき、空間が風土化していくという仕掛け。最終的にはアマゾンではないですが「この場所でこういうことをしながらこの本を読んでいる人はきっとこういう本に興味を持つはず」というリアル世界でのセレンディピティが加速するというもの。
せっかく一時閉業・再開業するのであれば、エッジのきいたユニークな書店に生まれ変わることを期待したいですねいろんな経緯も含めて、これがコンテキストとして次の店舗に繋がることを期待します。本を売る場所というより、蔦屋書店その他のように本屋はコミュニケーションのハブだと思ってます。