ヘルスケアの完全パーソナライズは幸福につながるのか
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NTTデータの湊章枝さんと資生堂の中西裕子さんに「ヘルスケア」をテーマに対談していただきました。非常に学びの多い議論でしたが、とりわけ心に響いたのがヘルスケアとウェルビーイングの違いについてです。
バイタルデータやライフログから個々の生活者に最適化されたヘルスケアサービスを生み出すことが可能になってきていますが、体質的な「正解」を選択すれば、常に心が満たされるのかといえば、必ずしもそうではないのが難しいところ。
例えば化粧品の世界では、自分の肌質には合っているけれど香りやテクスチャーは好みではない、ということが往々にして起こってしまう、と。
ヘルスケアがウェルビーイングに接近するにつれて嗜好や感性との折り合いが必要になってくる、というのは新たな気づきでした。自分の肌質に合った化粧品がバイタルデータからレコメンドされる未来、いいな!
合わない化粧水や乳液でアレルギーが出てしまうことがあるので、なかなか冒険できない人です。
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例えば血液型は、20世紀初頭までは存在が認識されていなかったんです。
それまでの輸血は運を天に任せているようなもので、血液型が合わない輸血を受けて亡くなる人もいました。
研究を重ねてABO型やRh血液型が発見されて、今では自分の血液型に合った輸血が受けられるのが当たり前。
病気の治療も同じで、自分のデータに基づいて、自分に合った治療法や薬を探していく。医療の分野ではこうした個別最適化がどんどん進んでいますが、日常生活になるとそうなっていません。人生100年時代。長生きより、一人の人間としてどう豊かに生きるかが問われている。この解なくしてヘルスケアは語れない。もちろん豊かさの定義の人それぞれ。100人、100色に対応するには、自ずと最先端のテクノロジーが必要となる。