前回FOMC、「ほぼ全員」が0.25%利上げ支持=議事要旨
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インフレ心理に一旦火が付くと消し去るのは容易でなく、小康状態になったと見て引き締めの手を緩めると忽ち再燃します。インフレが減速し景気が懸念される度に引き締めの手を緩めてインフレがぶり返す“ストップ・アンド・ゴー”を繰り返し、インフレ心理が定着して政策金利が瞬間的に20%に達する強烈な引き締めでリセッションを起こして収めるに至った1970年代から80年代初めにかけての米国がそうでした。
資源価格の高騰と供給制約で始まったインフレが、堅調な労働市場を背景に賃金と物価の共振を伴うものに変わっていますので、インフレ心理の定着を避けつつ軟着陸させるのは大変です。急速な利上げの効果は金融政策の常としてかなり遅れて出ますから、リセッションを招かぬよう利上げペースを緩めて状況を見極めることで一致をみたものの、かつて経験したストップ・アンド・ゴーを繰り返えさぬためインフレ抑制優先の姿勢は示し続けることにした、といったところであるように感じます。FRBは難しい局面をこれまでのところ実に上手に切り回しているようですね・・・ とはいえ進むべきナローパスはまだまだ続きそう (・・;既に配信したレポートでも触れましたが、今後の利上げについては、総需要の抑制というリアルな目的よりも、インフレ期待の安定とか、インフレリスクへの念のための備えといったやや抽象的な意味合いが強くなることが想定されます。
それだけに、政策決定におけるこうした主観的な判断を金融市場や家計、企業との間で適切に共有することは、いっそい難しくなる恐れがあります。12月分のインフレ率までは順調に減速してましたからそうなるでしょう。
ただ、1月分から景気も雇用もインフレも再加速してしまいましたから、来月のFOMCはどっとチャートの改定も含めて要警戒でしょう。