【技術革命】国土の7割を占める森林は「資源に変えられる」
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私の記事に興味を持っていただいている皆様に心から感謝いたします。また様々なご意見を頂き、この領域は多様な学説もあり、反対のご意見があるのも然りだと思います。
この場をお借りして、なぜ私がバイオマスバリューチェーンという構想に辿り着いたのかをお話しさせてください。長くなりますので何回かに分けてお話しします。
まずは私の生い立ちから振り返らせていただきます。
私の父は、建具店を経営していましたが、根っからの職人で、酒もタバコもやらず、新しい細工を思いついたら夜中でも工場でそのアイデアを試さずにはおれない人でした。その父が、私が小学校の時に「後を継ごうか?』というと「ダメだ」と答えた後にこう言ったのです。「これからは山の手入れも思うようにならず、木に節が入る率は上がる。美しい木目が命の建具屋だけはなるものではない。」
その頃山口県の母方の田舎にもよく行っていたのですが、持ち山の手入れは祖母と叔母の担当でした。誰もいない母の実家に荷物を置き、家族全員で山に入りしばらく歩くと山林を切り開いた平地があり、そこで目の前に連なる山に向かって『来たぞー』と大声で叫ぶのです。何度か木霊の余韻を待つと、はるか向こうから『おおい』と返事が帰ってくる。その返事から一時間ほど経つと突如茂みのなかから祖母が現れるのでした。そんな大変で危険な管理を、女性たちがするしかなかった。その山も今では山の境界線の目印が伝承されず、結果的に山は放置せざるを得なかったのです。
こんなことが日本中で起きています。日本の山林の実態を垣間見た思いがします。だからこそ日本の国土のおよそ7割もある森林を活かした未来を創造したいと思うようになったのです。京都大学の渡辺隆司研でやっている、カルボン酸で木材を溶かす超穏和溶解みたいですね。
http://www.iae.kyoto-u.ac.jp/BiomassPT/index.html
プラスチック代替などの可能性は広いと思います。
ガソリンなどの燃料用途で考えると、日本の森林の再生産能力をフルに使っても燃料消費の1割程度しか賄えません。生産工程を考えない「まゆつばのサステナブル」をやめよう。
素材産業のモノづくりのバイブルとなっている「ダイセル方式」を生み出した経営者、ダイセル小河義美社長の、とても印象的な一言です。
ではまゆつばをどう解消していくのか。ダイセルが研究する「溶かす」技術について伺いました。またこの技術の先には、低炭素社会、循環型社会の実現に向けた「バイオマスバリューチェーン」という構想があるとのこと。
「バイオマスバリューチェーン」について、全三回の連載で紐解いていきます。興味のある方、ぜひ、お読みください。