「全製品バイオマス化」を目指す。三井化学と帝人が挑戦する、真に持続可能な社会とは
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こういった素材の原料となっている石油や天然ガスですが、その使用量に見合う分があるバイオマス素材としては、木や草が作るセルロース(一緒に含まれるヘミセルロースやリグニン、ってのも)しかありません。
現在、素材のバイオマス化は、でんぷん質(要は、「糖」。これも植物が作るのですが、セルロースほどの量がありませんし、そもそも「食べ物」だったりします)をバイオエタノールを経由して原料とするやり方が主流。しかも、「ベンゼンがとれない」という致命的な欠点があったりします。
一時、「部分バイオPET」なんてのが出てきましたが、「全部は無理」だった理由が「原料の一つ、テレフタル酸がベンゼン環を含んでいるため、バイオ素材からは作れなかった」というものです。
ここに出ているフェノールもベンゼン環を含むため、「これをどっから取ってくるのか」というのが大きな技術的チャレンジになります。現状三井さんがどうやっているのかは存じあげないのですが。
ほんの最近、旭化成さんが「バイオ素材からベンゼンを合成する」という発表をされていたように思います。また、植物が持つ「リグニン」という(扱いが困難なので、今は製紙とかでボイラーの燃料として使われています)成分は多くのベンゼン環を持っていますので、うまい技術を作れば取り出すこともできるようになるかもしれません。
いずれにせよ「簡単な技術」では到底ないのです。その点、広くご理解いただき、応援していただけるとうれしいと思ったりしています。