日英、安保新協定署名 両首脳、部隊訓練円滑化
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「円滑化協定」といわれているのは、 Reciprocal Access Agreement (RAA)、「相互アクセス協定」とも訳せますが、共同作戦を円滑に行うために、あらかじめ取り決めをしておくというものです。
英軍の戦闘機が日本の領空で行動する、日本の飛行場に着陸する、英国海軍の艦船が日本の港に寄港する、給油を受ける、英軍の兵士が日本の病院で治療を受ける、等々、共同作戦を行う時には、日本の様々なインフラや民間企業が関与します。
現在なら、外務省とか、国土交通省とか、防衛省とか、いくつもの役所に事前に申請書類を送って許可を取らねばならないことです。
戦時だとそんなことは一々していられないので、そういう手続きを省略したり簡略にできるように取り決めておく、ということです。
日本がこれまで「円滑化協定」を締結しているのは、オーストアラリアだけです。英国とも同様の協定を結ぶことになります。
米国とは、すでに様々な取り決めがあります。
日豪円滑化協定の署名―その意義と役割 - 防衛研究所
http://www.nids.mod.go.jp/publication/commentary/pdf/commentary203.pdf日豪に続き、日英間でも軍事的なつながりを強化するのはウェルカムだ。日米間には既にガイドラインを始めとする多くの取り決めが存在しており、RAAの必要性はそれほどないと考えられるが、あとは有事の指揮権をNATOのように統一するかどうかだろう。
同協定署名後、中国の知人から「アジア版NATOが出来つつある」とのメッセージ。アジアに位置する日本が欧米諸国との安全保障協力を制度的に強化することに、中国は戦略レベルでフラストレーションを貯めているようです。日本としては、自らの意図や戦略を明確に、時に曖昧に発信していく必要があるように思います。可能な限り、誤解や誤読は避けるべきです(中国にあえて誤解させておくというのも1つの戦術になるケースもあるように思いますが)。