国内外に東京都の2.5倍の社有林 王子HDが森から描く未来とは
コメント
選択しているユーザー
「私たちも2030年度までに温室効果ガスの排出量を70%削減する目標を掲げています。1千億円を投じて事業拠点のあるブラジルやオセアニア、東南アジアを中心に植林地を増やしていきます。さらに1千億円を投じて、石炭ボイラーのエネルギー転換を図っていく計画です」
注目のコメント
一昔前は事業によってもたらされる環境への負の影響に対応すればよいという風潮でしたが、今は事業活動に必要な資源の保全(場合により創出)を十分に行ったうえで事業にその資源を使っていく事業者が持続可能とされます。
2030年までに自然への負の影響を正の影響が上回る状態とするネイチャー・ポジティブの実現には、政策的なアプローチだけでなく、民間セクターの投資が不可欠と言われています。
本取り組みのような森林づくりは製紙業の取り組みとしてぴったりで、ビジネスに必要な資源を恵んでくれる供給サービスをもたらすだけでなく、これまであまり注目されていなかった環境を制御する調整サービス、例えばCO2吸収や自然災害の抑制なども期待されます。資源小国である日本の製紙産業は、使用しにくいがゆえに安価な木質繊維原料(マツ類など)を利用する技術を開発しながら、世界トップレベルにまで発展してきた歴史があります。
が、紙は一般的に生産コストに占める原材料コストの割合が高いため、自前での原料調達のための造林は、戦後すぐから計画的になされてきました。紙の生産量は減っていますが森林の価値は高まっている。造林し出した頃にはこんな未来は予想されてなかったでしょうね。"作る責任"を担う関連業界企業自身が森林保護・再生に並行して取り組むことは親和性の面でもこれ以上ない組み合わせでしょう。これは他の食品生産や資源の話でも同じことですが、下手に分業や外注でビジョンやパーパスの異なる企業が妥協して手を組むより、川上から川下まで一元管理出来た方が意思決定は迅速に行えるし、仕組みづくりや管理面でも非常にシンプルかつ効率的になります。理に叶ってます。
また国内の土地や森林保護を有地として企業が推進する意義は、結果的に国土を海外勢力からの買い占めにもつながり、大袈裟かもしれないけど先々のことを思えば国防的な要素もあると思ったりします。昨今問題になってる太陽ソーラーパネルの問題もしかり。そうした意味で森林保護・再生事業をしっかり収益持続性のあるモデルに是非育てて広めていって欲しいなと思いました。