金原ひとみが描く女性たち
コメント
注目のコメント
デビュー作『蛇にピアス』が初めて世に出たきっかけは、2003年11月号「すばる」の掲載でした。つまりちょうど19年前になりますね。配信に向け金原さんの小説を一気読みしました。退廃的で破滅的にも見えるけど確かに“存在”する登場人物を通して人の孤独や本質に迫るような内容に沼っている人が多いのだと思いますが、改めて『蛇にピアス』を読むと、あの当時の若者は言葉遣いが乱暴なのがデフォルトだったなと何だか懐かしい気持ちになりました。また主人公のルイが「パソコンの使い方がわからない」と話しているのに対し、最新作『デクリネゾン』はコロナ禍という設定で当然スマホやTwitterが出てくるので、随分と時代が進んだなと感じました。19年前と比べると今は明らかに言論空間が広がり“言葉を愛し言葉に裏切られ言葉との蜜月を過ごしてきた”金原さんが今の言論についてどう考えているのか聞きたいと思いました。そして、焼肉擬人化漫画にハマっている腐女子の由嘉里が登場する『ミーツ・ザ・ワールド』。繊細さや悲しさが漂う話ですが、随所にでてくる「尊い」「無理ゲー辛酸溺死」「オサレ」「推し肉」といった言葉紡ぎや若者同士の快活な会話内容に思わず声を出して笑ってしまいました(尊いという意味で)。由嘉里のこんな一言が印象的でした。
『私はいつまでもこの私で、私として生きていくしかない。そのことを思い知ったのだ。』
人としてどう生き、今の社会をどう見るのか。ぜひ皆様と聞けたらと思います。
【配信後記】
小説・SNS・パリ・死生観・AIなど内容盛り沢山でしたが、全員ではありませんが、主人公の女性たちの心情=金原さんの内面で幼少期から切り離せない部分、だと私は思うに至りました。最後のボードについて、配信後になぜあの言葉だったのか、金原さんに聞きました。
「やっぱり窓際に吸い寄せられる感覚があるので」
そう答えてくれた瞬間、私は目を逸らしたと思います。咄嗟に小説の言葉を借り、金原さんが今日まで「消えない」でいてくれて僕は良かったと思っています!と伝えると「読んでくれて有難うございます!」と笑ってくれましたが、難しい問題です。ビジネスにおいても多様性の大切さがそこかしこに叫ばれ、私は「消えること」を苦しいことだと考えますが、逆に消えることがごく自然な状態であると考える人もいる訳です。もう一度『ミーツ〜』を読みたいと思います。【11月30日(水) よる10時〜】WEEKLY OCHIAI『金原ひとみが描く女性たち』を生配信します。
身体改造に強く惹かれるルイに、キャバ嬢のアヤ、そして腐女子銀行員の由嘉里に、仕事も家庭も恋愛も全てが欲しい作家の志絵。様々な事情を抱える彼女たちがいったい何者かというと、小説家の金原ひとみによって描かれた女性たちだ。
2004年に衝撃作『蛇にピアス』でデビューし、20歳という若さで芥川賞を受賞して以来、現代を生きる人の孤独や不安を生々しく抉り出し、結婚や出産、パリ移住などを経てきた彼女にとって、この18年間の女性模様や社会はどう変化したのか?そして作中でも多く登場する“生と死”をどう捉えているのか?女性や社会、言論空間にコロナ…金原ひとみの思考に落合陽一が触れる。
※ライブコメントからの【質問】に答えます。押し付けがましくない生死か。文化の違いおもろいですね。
捨て猫の保護ww
私は読書は紙派だなー。一冊ずつだからだなー。漫画は一気に読みたいから電子。
ダウナーぢゃないww
オルハンパムク。誰!ai やばすぎますね。ai に泣かさる時代に…
〆切だらけってまぢですごいな。落合さんと手塚さん。松本清張、またしかり。その中で音楽や小説、研究、アートやるって強靭すぎる…