日本のメガバンクより高給、米バーガー店勤務
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先日、報道情報番組で、「”出稼ぎ”日本人」として「ワーキングホリデーを使って、米国、カナダ、オーストラリアで、美容師、和食店、製造工場で働く方々が、日本と同じ仕事内容で、給与が2~3倍もらえ、旅行もできて大変充実している」といった特集がなされていました。
「今こそ、どんどん海外へ」「中高年の方も含め、海外転職の問い合わせが増えている」という流れだったように思います。
私は、複雑な思いがしました。
もちろん、人々が内向きにならず、世界に打って出て行かれることそれ自体は、大変素晴らしいことです。ただ、「出稼ぎ」は、居住地では仕事がない・条件が悪いため、別の場所に行く、相対的に「貧しい国・地域」から「豊かな国・地域」に働きに行く、ことです。もはやそういう時代になってしまった。
「日本にいては条件が悪いため、人が海外に出ていく」、それはまた、「条件の悪い日本には、海外から人が働きに来ない」ということと一体です。技能実習生を劣悪に取り扱っているといった話はそもそも論外ですが、それ以前に、日本は「選ばれない国」になりつつあります。
先般、米国に行きましたが、コロナ前と比べて、物の値段が、円ベースで、1.5~2倍程度に上がっているなと感じました(物価高+円安)。
物価が上がっているのは、諸外国も同様で、むしろ、上昇率は日本より高いわけですが、日本は、賃金が上がらない、構造的に日本経済が弱くなっていることが根本的な問題です。
そういう意味では、今回の電気ガス・ガソリンなどの政府の物価高対策等の「一時しのぎ、バラマキ、一律、根本的解決になってない」、経済対策全体に流れる「将来展望の無さ」「言葉は同じだけど、海外とは本質的に中身が違う(DX、リスキリング、スタートアップ支援など)」が、今の日本の行き詰まり感を象徴しているようで、残念に思います。最も恐ろしいのは、日本の賃金が上がらず、世界で最も貧しい先進国に落ちぶれているという現実に、ほとんどの日本人が気づいて来なかったことだ。
外資系に身を置きながら日本で働いていた私は、15年以上前から大きな危機感を抱きながら、外資系企業を選んで本当に良かったと胸を撫で下ろしたものだ。
日本で高給取りと羨ましがられる総合商社も、海外勤務した人にすれば、普通に思えるほど他の先進国の賃金は高い。それでいて、企業の利益率は日本のプライム市場上場企業の倍は稼いでいる。
失われた30年で、社員の給料は上げないで、自分の給料は株価連動型のインセンティブを導入して上げながら、内部留保だけやって貯金だけして将来のイノベーションに投資してこなかった大企業のサラリーマン社長は、是非とも猛反省していただきたい。物価の違いがあるので国際比較には意味ないと思うのだが、少なくともいまの金利政策のままでは、日本はもはやかつての出稼ぎに来るような国ではなく、むしろインバウンドで稼ぐ観光立国をめざしたり、オフショアの受託先にふさわしい国になったのだと認識を変えないといけない。